寝ても覚めてもオーディオというわけでもないのだが、常に脳裡の片隅に存在していることはたしかである。
その背景としてシステムの中身が多岐にわたっている、たとえば前段系(CD,ブルーレイ、DACなど)、増幅系(真空管のプリとパワーアンプ)、変換系(SPユニットと箱)など、付け入る箇所がとても多いことが挙げられる。
したがって、ふとしたときにアイデアが閃くことがあり、たとえばウォーキング、お風呂、運動ジム、クルマの運転中などだが、もちろんアイデアといっても玉石混交で実験してみると没になるものが大半である。
ところが、そういう中でも目覚めの寝床の中で閃くアイデアがとても当たりの確率が高いことを経験上熟知しており、まさに宝庫的な存在になっている(笑)。
朝起きてすぐの「頭」はリフレッシュしてスッキリ爽やかなせいだろうか。
実は今回もそうだった!
昨日(19日)のこと、目覚めたときにふと「低音用のスピーカー(以下「SP」)とフルレンジ用のSPの上下の位置をひっくり返したらいったいどういう音になるんだろう・・」とのアイデアが閃いた。
これまでの常識というかセオリーでは、「音はピラミッド型」が定説で、下側から、低音、中音、高音の順番になっており、低音用のSPが上になっているシステムなんか見たことも聞いたこともない。
そもそも「指向性」の観点から「中高音用のユニットが耳の位置の高さにくるように」というのがSP設置の鉄則である。
しかし、「先入観は罪、固定観念は悪」という言葉もある。
簡単に実験できるので、いっちょうやってみっか!
さっそく階下のオーディオルームに入って上下の位置を逆にした。
このところ重たいアンプの持ち上げ過ぎで右上腕部を痛めているがこのくらいの軽い箱(板厚:1.2cm)なら大丈夫、というか興味津々の熱意の前には痛みも引っ込む(笑)。
というわけで、このとおり。
フルレンジの「AXIOM80」を下側へ移動させ、上側にはサブウーファーの「AXIOM150マークⅡ」を載せた。
100ヘルツ以下を受け持たせるための「ゼロ抵抗コイル」(ムンドルフ:ドイツ)を重石代わりに最上部に載せてみた。
駆動するアンプは「AXIOM80」用に「WE300Bシングル」を、「AXIOM150マークⅡ」用に「71Aシングル」(SRPP回路)を充てた。
ワクワクドキドキしながら耳を澄ましてみると、これが予想以上にいいんですよねえ(笑)。
まず、低音域の量感と質感(分解能)とのマッチングがしっかり取れているのが第一印象、次に「AXIOM80」の高音域の神経質さが上手くマスキングされてアンプのボリュームを上げても気にならないほどの品の良さが醸し出されてきた、全般的にサウンドがまろやかになって完成度が上がり長時間聴いても疲れない音、といった具合。
どうせ、「(年齢のせいで)1万ヘルツ以上の音は聴こえない耳になっているんだし、もうこれで十分だなあ」、というのが偽らざる実感である。
しかも、この位置だと「AXIOM150マークⅡ+ツィーター」のときにもユニット同士の距離の間隔というハンディが失くなる。
まったく、いいことづくめ。
ときにはセオリーを無視して逆転の発想をするのも大いにありですね。何といってもケースバイケースなんだから~。
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