オーディオ仲間との試聴会(11月1日)で改めて胸を打たれたのが「AXIOM80」で聴いたヴァイオリンの音色。
ヴァイオリンの再生周波数帯域は「180ヘルツ」あたりから「1万ヘルツ」以上だから、このSPの再生可能領域にどっぷり嵌っておりまさに「独壇場」ともいえる。
「ヴァイオリンを聴くためだけに、このSPがあってもいいですねえ」と、二人して異口同音に叫んだことだった。
水も滴るような艶やかで濡れたような響きで優しく包み込んでくれるヴァイオリンは母性的というか女性的な楽器のような気がしてくる。
そこで「見目麗しい美人」が弾けばいっそう興趣が増す感じ~、で、ときどき、”オッ”と気をそそられる写真というのがある。
クラシック専門番組「クラシカジャパン」(CS放送)の8月号(2014年)の表紙がそれ。
裏にパトリツィア・コパチンスカヤとあり1977年モルドヴァ生まれというから、当時で37歳? パッと見た瞬間に20歳前後だと思った(笑)。
初めて聞く名前だが「美しき次世代アーティストたち」とあるから、新進気鋭のヴァイオリストなのだろう。
モルドヴァといえば聞きなれない国名だが、ルーマニアとウクライナの間に位置する国で、このたびのウクライナ紛争で避難民が殺到している国といえば思い当たる方も多いだろう。
旧ロシア領というから画像でもお分かりのとおり、さぞや透きとおるような白い肌の持ち主なのだろう。
ヴァイオリンはその優雅な曲線美から女性が持つと絵になる楽器だと思っていたが、この写真を観て改めて納得。
年から年中「年増」と鼻を突き合わしていると一服の清涼剤として大いに目の保養になるのでときどき引っ張り出しては見入っている(笑)。
あっ、そういえば先日の読売新聞の「人生案内」(読者投稿)で「寡黙で優しい主人がパソコンで女性の水着姿にうっとりと見入っているのを見つけてガッカリしました」(趣旨)というのがあった。
思わず、ドキッとしたねえ。これから用心しないと・・、いい歳をして(笑)。
さて、過去の女流ヴァイオリニストといえば、いの一番にくるのが「ジネット・ヌヴー」だ。
1950年代前後に活躍したヴァイオリニストだが惜しくも飛行機事故で亡くなった。彼女の「ブラームスのヴァイオリン協奏曲」(イッセルシュテット指揮:ライブ))は絶品で、録音は悪いが大の愛聴盤。
以前、オーディオ仲間のお宅で聴かせてもらっていたところ、感動のあまり涙が溢れ出て困ったことがあった。人前で涙を流すのはみっともないからねえ(笑)。
もともと大のヴァイオリン好きだがブラームスのヴァイオリン協奏曲は特別で随分と収集したものだった。
現在手元にあるのは、シェリング、オイストラフ、マルツィ、ハイフェッツ、グリュミオー、ヴィトー、オークレール、コーガン、比較的新しいところでムター、レーピン、ハーンで次から次に聴きまくったが、結局ヌヴーを上回る演奏はなかった。
これからどれほどのアーチストが出てこようと、あの熱狂的な1948年3月5日(於ハンブルク)の運命の一夜の再現は不可能だろう。
その場限りを命として燃え尽きる燃焼型のアーチストが時代とともに消え去っていくのは淋しい限り~。
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