先日のブログ「新しいデジカメ」(5月13日付)で現在使っているパソコンの買い替えを話題にしたが、それからおよそ1ヶ月が経過したのでその後の顛末を記してみよう。
お目当ては「i7(アイセブン)」登載の夏モデル機種なのだが、近くの大型電気店で調べてもらったところ、かなりの値段がする。
気に入ったオーディオ製品なら見境なく飛びつくものの、それ以外はじっくり時間をかけて検討するのがいつもの自分だが、何よりも「先立つもの」が問題。
高給取り(?)の娘から援助してもらえると助かるので相談したところ「いいよ」と、ひとつ返事で全額を口座に振り込んでくれた。
まさに「家貧しくして、孝子出ず」だが、気になるのはカミさん。果たして娘の援助に対してどういう反応を示すだろうか。
どうせ、いずれバレルのは分かっているので、タイミングを見計らって切り出したところ、
「まあ、情けない!親が子供にお金を出すのは当たり前だけど、子供からお金を出してもらう親なんて聞いたことがありません」と、のたまう。
「高きから低きに水が流れるように、お金があるところから無いところに行くんだから仕方がないさ」と馬耳東風を装ったが、どうやらあまり反対すると「自分のほうにお鉢が回ってきたら困る」と思ったらしく、追求の矛先が鈍かったのでまずはひと安心。
財源も確保できたことだしと、すぐに電気店に行って「夏モデル」を交渉したところ、春モデルの在庫がまだかなり売れ残っていてたくさん展示してあり、「これが売れない限り、夏モデルはまだ店頭に出さない」との販売方針が節々に窺える。
これではまるで顧客不在ではないか、販売店だけの都合優先の姿勢に対してカチンとくるものの、アフターケアのこともあって仕方なく待つことにしたが、それから10日ほども経っただろうか。
東京で外資系の会社に勤めている甥っ子(姉の長男)が、ある日フラリとやってきた。激務の間をぬって病院に入院している母(94歳)の見舞いにわざわざ来たのだという。
「ご苦労さん」と、いろいろと話すうちパソコンの話題になり「おじちゃんは近いうちに”i7”に買い換えようと思うんだ」と話すと、「いいですね、うちの会社なんかまだXPですよ」と言う。
「え~っ、あのIT関連大手の企業がまだXPを使っているのかい」とビックリ。
「XP」から「セブン」へ、いざOSを替えるとなるとそれなりの手間がかかり諸経費もバカにならないのだろうが、それにしてもという感じ。
そういうことならまだ「XP」でも充分のようで、一般家庭で普通に使うのなら”なおさら”のこと。何だか「i7」に対する熱が急に冷めてしまった。
そうこうするうち、ようやく6月6日(月)になって電気店から「夏モデルの新型が入荷しました」との連絡があった。
今さらという感じでちっともうれしくない。
「もう待たされて、いい加減くたびれたよ。よそのお店では夏モデルを早々と売ってたよ。悪いけど予約を取り消して今使っているパソコンのメモリーを増やそうと思っているけどいいかな~」
直接出向いて行って担当者に高飛車に言ったところ、さすがにお客相手の商売、「いいですよ」と、すぐにパソコンの型番に適合するメモリーを調べてくれて、「現在500MBのメモリー容量になってますが、1GB以上にするとアクセスのスピードも上がると思います。2GBまでなら増設可能です」。
チッ、こういうことなら早く増やしておけばよかった。
結局、「2GB」のメモリー増設で即座に決まり。費用もパソコンの買い替えに比べると月とスッポン。
メモリーの交換を自分でやる人も多いだろうが、不器用でパソコンはサッパリときているので無難な道を選んで専門家に自宅に来てもらうことにした。
最速の日程で調整して9日(木曜日)の午後に決定。
当日、予定どおり午後1時半に作業担当の専門家がお見えになった。昨年の6月頃に迷惑メールのチェック機能強化のために来てもらった馴染みの「Tさん」だったのでひと安心。
作業はたったの10分程度でアッサリ終了したが、通常のパソコン作動中にしきりにセキュリティチェックが入って困るのでついでに調べてもらったところ、新旧のチェック機能が相当ダブっていたのできちんと整理してもらった。内部のクリーンもついでに。
これだからやっぱり来てもらってよかった~。
それと、メモリー増設の意味を改めて訊いたところ次のような答えが返ってきた。
「普通、メモリーの増設というと写真などの保存機能の充実だと誤解される方が多いのですが、あえてクルマにたとえて言いますと、エンジンがCPU、ガソリンタンクがハードディスク、それを繋ぐホースがメモリーの役割になります。ホースが太いほうがスピードが速くなるということです。」
へぇ~、そういうことですかと分かりやすい説明に納得。
話が弾んだ勢いで、Tさんは中学~高校時代にブラスバンド部に所属されていたことが判明。
こういう方は生の金管楽器に大いに耳が鍛えられているのでオーディオのアドバイスを受けるのはもってこい。
早速、Tさんのご了解のもとに装置のスイッチを入れて営業の邪魔にならない時間の範囲で耳を傾けてもらった。
試聴ソースは万人受けする「サッチモ」こと「ルイ・アームストロング」。
ジャズは滅多に聴かないがこの盤だけは別格。
夕方、これを聴きながらウィスキーをチビリチビリやるのはまさに至福の時間!最近では一日に1回は登場している愛聴盤。
例の親しみやすい「ダミ声」もさることながら、静寂(しじま)を切り裂くトランペットの音が素晴らしい。
Tさんに感想をお訊ねするとこういうブルース調の曲が大好きだそうで気に入ってもらってよかった~。
さて、話は戻ってパソコンを買わなくて済んだので、娘から振り込んでもらったお金をどうするかが宿題として残った。
このまま娘の口座に戻すと折角の厚意を無にするようで何だか可哀想なので、今度帰省したときにわけを話して色をつけて現金で返すことにしようかな。
最後に、肝心のパソコンの使い勝手だが(メモリーの増設で)明らかにアクセスのスピードが向上した。これなら麻雀ゲームをしながら画面が出るのを待つ必要もなさそうで万事「メデタシ、メデタシ」。