現在使っているバッファー・アンプ(以下、「バッファー」)には大いに助かっている。
DAコンバーターとPX25真空管アンプの間に入れて、SPユニット「アキシオム80」の中高域専用として使っているが、電源回路の改造とマイカ・コンデンサーの使用により惚れ惚れするような音質。
もう、これが無くては自分のオーディオが崩壊するほどの大切な存在だが、残念なことに低域部分の再生が貧弱なので中高域部分しか使えない。
唯一の気になる点は、長時間使うとアルミケースがかなり熱を持つこと。これから夏に向かうとさらに加速しそう。
たった2本のミニチュア真空管「6FQ7」を使用したシンプルな構成なのに真空管の放熱はバカにならない。
周知のとおりオーディオ装置にとって熱は大敵である。
取り分け、ダイオードは熱に弱く故障や劣化の原因になったりするし、ほかの部品にしても痛むのが目に見えているので遅まきながら「放熱対策」を講じることにした。
このバッファー以外にも(放熱対策の)対象になる機種が2つあって、この際まとめて面倒を見ることにした。
☆ DAコンバーター(ワディア)
使い出して10年以上になるが故障は8年目くらいに電源トランスがイカれただけで、丈夫の一言だが、欠点は電源スイッチが無いため24時間ずっと電気を入れっぱなしという、完全に省エネに逆行するタイプ。
(節電対策が声高に叫ばれている関東辺りでは使うのにちょっと気が引ける代物!)
そのせいでケースの上が手が付けられないほど熱くなる。冬は暖房代わりのつもりでいいのだが、春から夏にかけては悲劇的な存在。
まあ、エアコンを入れれば室内は涼しくなるものの何といっても内部の部品が劣化して性能が充分発揮できなくなるのが怖い。
☆ 真空管アンプ
この「VV52B」というパワー管を使ったアンプの使用遍歴も10年以上になるがシステムの中でレギュラーになれる存在ではなく、これまで使ったり、休ませたりの状況。
音質は近代管にしては”まずまず”だが、イマイチ食い足りない。
しかし、ときどき使ってやらないとコンデンサーなどが劣化するので久しぶりに倉庫から引っ張り出して第二システムのウェストミンスター(テレビ視聴用)に使うことにしたものの、このアンプにも難点がある。
写真中央の電源トランスが電源を入れて1時間もすると滅茶苦茶に熱くなる。これはもうDAコンバーターとは比較にならないくらいほどで、冬なら立派に暖房器具として通用する。
以前、このアンプを使用するときには扇風機を回して風を送っていたが、何せ扇風機の風切音が気になるのが欠点。
クラシックの場合ピアニシモの部分が一番の聴き所であり、感動の「源」になるのだが、そういうときに風切音が気になるので何とも始末が悪い。
これら3つの機器の放熱対策をどうしたらいいか、まったくの素人考えだが思いついたのがパソコン用に使われている「ヒートシンク」。
ご存知の方も多いだろうが、ウィキペディアにはこうある。
ヒートシンク (heat sink) とは、発熱する機械・電気部品に取り付けて、熱の放散によって温度を下げることを目的にした部品である。日本語では放熱器(ほうねつき)、板状のものは放熱板(ほうねつばん)と呼ぶ。
主に、熱が伝導しやすいアルミや銅などの金属が材料として用いられることが多い。その用途により、大きさ、形状も、千差万別である。
ヒートシンクの性能は、熱抵抗によって表され、熱抵抗が小さいものほど性能が高い。熱抵抗は、ヒートシンクの材質、大きさ、形状などによって決まり、ヒートシンクの性能を上げるために表面積が広くなるような形状(一般的にはフィンと呼ばれる板や棒の生えた剣山状や蛇腹状)に整形されることが多い。
材料としては「銅」を使うのが一番いいのだろうが、ネットで調べてみると非常に高価なので、「アルミ」を使うことにした。
とりあえず何種類かゲットして、まだ注文中のものもあるが今のところ次のとおり。
それぞれの機器のケースの上に、このヒートシンクを設置し、さらにその上に釣り用などのクーラーボックスに容れる「保冷材」を置いてみようかと考えている。
(結露を吸収しやすいように木綿袋に容れたうえで8時間おきの交換が必要)。
はてさて、どのくらい効果があることやら。