読書といえば、いつも図書館に行って「何かめぼしい本はないかな~」と「新刊コーナー」へ一目散、で少し気になった著者とタイトルを見かけると最初の方をぱらぱらとめくって面白そうだなと直感したものを借りてきているのが常。
それが最初の「篩(ふる)い」で、自宅に帰って腰を据えて読み始めて1/5ほど読んだところで、これが2番目の「篩い」になるが、あまり引き込まれないとわかるとあっさりポイ・・。
結局、この「二つの篩い」にかけて面白い本にあたる確率は1/4くらいかなあ。
これを3か所の図書館(県立図書館、地元の図書館、隣町の図書館)で定期的に繰り返しているが、新聞の書評などで見かけた本はまずもって「新刊コーナー」で展示されることはないので、どうしても予約することになる。
滅多に予約はしないのだが、この本はどうしても読みたくて・・。1か月ほど待たされた。
なぜ「(歌川)広重」かと問われると、好きだからとしか答えようがない。
浮世絵といえば「葛飾北斎」と「歌川広重」の二人に尽きると思っているが、北斎は少し筆が躍りすぎて「仰々しい」ところがあるように思っている、その点「広重」は「構図」といい「写実性」といい、「色使い」といい、いかにも落ち着きを感じさせる、とまあ素人なりに気に入っている。
ちなみに、広重の絵で一番好きなのは「蒲原の雪」で、パソコンの表示画面にしたところ、白色が多すぎて・・、無念。
「蒲原」(静岡)でこういう豪雪はありえないとのことで、「東海道シリーズ」の構成上、作者の想像の産物とされているが、この絵を見る度に「素敵だなあ~」といつも心が和む。
音楽でいえば「ポストホルン」(モーツァルト)の「第三楽章アダージョ」みたいな感じかな。
さて、本書だが現在、1/3ほど読み終えたがまだ先は長く感想を述べるには早すぎる。
ネットから「読者レヴュー」を2件引用させてもらって終わりにしよう。
「火消し役の安藤家の息子が浮世絵画家になった顛末、「東海道五十三次」を完成させるまでのいきさつが描かれる。舶来のプルシアンブルー、広重は、ベロ藍と呼ばれるその最大限に染料を活かせるのは空だと確信する。
澄みきったベロ藍は、どこまでも美しく、なんの屈託もないように見える。だが、安藤重太郎の生涯は、家族関係でさまざまな苦労に満ちていた。彼がこの青に惹かれたのは、その青がすべての苦悩を流し去りそこに明るさだけを残すかのように澄みきっていたからかもしれない。」
「江戸の風景が大好きで、貧富の差なく、老若男女どんな人にも観て喜んでもらいたいと描いた『名所江戸百景』や、『東海道五十三次』で有名な浮世絵師・歌川広重が主人公。
本作を読んでいる間に訪れた「大阪浮世絵美術館」で広重の浮世絵を鑑賞し、今までは永谷園の商品に入ってるカードの絵の人だなぁくらいにしか思ってなかったけど、広重の絵に込めた想いなどを知ってから観ると、とても感慨深いものがありました。」
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