「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

美人は得をするか「顔」学入門

2017年04月09日 | 復刻シリーズ

今回の「復刻シリ~ズ」は6年前に登載した「美人は得をするか顔学入門」である。それでは以下のとおり。

「顔」のことを話題にする資格はサラサラないが、「人は見た目が9割」という表題の本があるように単に両親からもらっただけの「顔」のために人生の「幸せ度」が大きく左右されるのはなんとも納得がゆかない話だと、昔からずっと思ってきた。

そう、自己の努力とはまったく関係ない「生まれつきの顔」のせいで~。

たとえば、超「就職氷河期」の昨今、面接で若い人たちが次から次に振り落とされているのを見聞すると心からお気の毒に思う。

人に与える印象に何がしかの影響を及ぼすのはやっぱり「顔」というのは争えない事実だから、次第に自己嫌悪の罠にはまりやすい虞が十分ある。

そもそも「顔」とは人間にとってどういう意味とか位置づけを持っているのだろうか。

「美人は得をするか、”顔”学入門」(2010・9)集英社新書)は、そういう疑問に社会的、科学的な見地からアプローチした文字通り「”顔”学」そのものの本だった。

           

著者の「山口真美」さんは現在、中央大学教授で「日本顔学会」の理事。「日本顔学会」なんてあることを初めて聞いたが巷には眼や耳鼻咽喉の学会があるだろうから、とても大切な顔の学会があってもいいのかも
(笑)。

そして、本書を読んで顔に対するこれまでの認識をすっかり改まってしまった。

結論から言えば
「この社会で生きていく上で顔の美醜はそれほど問題ではない、表情の豊かさこそがはるかに重要です。」と、いうわけ。

そこで、「表情の豊かさ」とは何か、というわけで本書の読みどころは後半にある。

「第4章 第一印象は顔が決め手か」と「終章 顔を巡る、もう一つのお話~自分の顔を考える~」に著者の主張は集約されている。

表題の「美人は得をするか」の回答らしきものもこの第4章で出てくる。

読解力不足のせいもあって「隔靴掻痒」の感を免れないだろうが、せめてポイントと思しきものを抜粋しておこう。

☆ 顔の進化

目、鼻、口と言った感覚器官が集中する場所が顔と定義すれば、そもそも顔は、口から進化したといわれている。

口はエネルギーを摂取する器官であるから、身体の前にあると便利。そのため口のある方向が生物の進行方向になった。

顔はたくさんの脂肪と筋肉がからまるようにして出来上がっている。筋肉には二つの役割があって、それは表情を作ることと、食べ物を噛み砕くことにある。

☆ 表情こそが、その人の顔である

表情をあらわす顔は様々な筋肉で出来ている。長年の生活の積み重ねによって顔への筋肉のつき方は変わり、さらに歳を取れば、それが明確な皺となってあらわれる。

顔の筋肉は、その人がどんなものを食べ、どんな表情で人生を過ごしてきたかをあらわす証のようなもの。

つまり人相は柔軟に変えられるものであって、もって生まれた骨格による人相だけでその運命が決まるわけではない。

「年をとったら自分の顔に責任を持ちなさい」。


☆ よい顔、悪い顔

顔の社会的な役割とは、まず、その人が誰であるかを知るための必要な看板として、次にその人が今、どんな感情を抱えているかの情報を提供するためにある。

取り分け感情的な情報の提供は社会の中ではとても重要なメッセージ。

「よい顔」とはこの大切なメッセージを表現できる顔であり、悪い顔はその逆。

入社試験や入学試験で面接があるのは、姿かたちや表情からこうした社会的な処世術が出来ているかどうかを試している。

以上のとおりだが、世の中にはいろんな駆け引きを要するケースで心の動きを相手に悟られないために意識的に無表情を装うことが多々あると思うが、そういうときでさえ顔の筋肉の使い方がなかなか難しい(笑)。

なお、表題の
「美人は得をするか」の回答だが、それほど単純なものではない。そもそも美人の定義がひとくくりにできないのが難点。

もし、美人が標準的な造作の美しい顔だとすると、それは美しいだけに終わってしまい、いずれ飽きられ、忘れ去られてしまう。

したがって、その人の持つ個性的な魅力〔表情)こそが人の記憶にずっと残っていくものだが、魅力とは人それぞれで受け止め方が違ってくるので、結局、スパッとした答えは出されていない。

最後に、謎かけをひとつ。

「防犯カメラの機能の向上で整形外科医が繁盛すると解く」 
そのこころは?

つい先日のNHKテレビで東京で開催されたセキュリティ・システムの展示会が報道されていた。

たくさんの防犯グッズが紹介される中で取り分け印象に残ったのが「防犯カメラ」にコンピュータと連動させて人の顔と氏名を記憶させるシステムが 完成したこと。

たとえば、カメラが該当人物を部屋の入り口で認識すると「○○さん、いらっしゃいませ」と声を出して案内するシステム。

たった一つの表情でも記憶させておくと、三次元の映像で解析して”うつむき顔”でも”横顔”でも認識するというから驚く。

それが、本書によるとさらに進化していて「指名手配」の顔写真を全国の防犯カメラに連動させ、コンピュータによって自動的に犯人を割り出すというSFまがいの便利なシステムが研究途上にあるという。

したがって将来はあらゆる主要なポイントに防犯カメラを置いておくだけで「指名手配犯」が次々にキャッチされることに。

おそらく将来は全国的に警察官の配置も様変わりすることだろう。

何せこちらが捕まえに行かなくても、相手から「飛んで火に入る夏の虫」

そうなると、指名手配犯も用心して「顔」の整形をするために整形外科医に行くというわけ。

ただし、本書によると人間の顔で一番重要なのは「目、鼻、口の配置〔間隔)」で、この整形をするとなると莫大な費用がかかってしまう~。

結局、違う顔に生まれ変わるのが一番手っ取り早いようだ(笑)。

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