「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

たった「5点」の差に執着するのか、しないのか

2024年12月17日 | オーディオ談義

3日前のブログ「優雅な音を求めて」の中で俎上に乗せた「PL100」(英国モニターオーディオ)。

小型スピーカーならではの引き締まった「シャープな音像」にひときわ魅せられたのは既述どおり。



文中、こう記していたのをご記憶だろうか。

「優雅さ」だけでいけば「AXIOM80」が100点満点とすれば、(PL100は)95点はいくと思う。この5点の差は「音響空間に微かに漂う余韻」の差に求められるが、これだけのレベルに達すれば言うことなし!」

「言うことなし!」・・、こう書いてたけど「手をこまねいて放っておくわけにはいかんよなあ」とオーディオの虫がつい騒ぎ出してしまった(笑)。

つまり「たった5点の差に執着するのか、しないのか」が、オーディオ愛好家としての分岐点というわけです。

で、その発想の根拠となったものはといえば、

「リボン・ツィーターを比較的低い2800ヘルツ(クロスオーヴァー)から受け持たせたら、1万ヘルツ以上の最高音域が手薄になるかもねえ~、その辺が5点の差に繋がったのではないか~」という予測。

「予測」とくれば、「実験」と「検証」が付きものです(笑)。

そこで、1万ヘルツあたり以上の帯域を補うために「ツィーター」の追加案が浮上し、手持ちの2本を実験してみることにした。

最初は「スーパー3」(英国ワーフェデール)。



見るからに大きくて強力なマグネットが付いている。



「マイカ・コンデンサー+ウェスタン製のブラックタイプのコンデンサー」で、およそ8000ヘルツあたりでローカットした。

ちなみに、「スーパー3」を置く台座は100均で調達した2本の丸棒の先端を針金でくっつけて使用した。オークションに出品されてた画像の台座は3000円もしていたんだから節約もいいところ~。



見栄えは随分違うけどね~(笑)。

「スーパー3」を駆動するアンプは別途用意して、比較的パワーがある「2A3シングル」の出番~。出力管は希少な「VISSEAUX:刻印」(フランス)。



さっそくスイッチオンして聴いてみると、悪くないなあ・・、高域のレンジが明らかに広がってこれでも十分いけそうだ。

検証その1:まずは合格。

次いで、2台めのツィーターを試してみた。

デッカの「リボン・ツィーター」である。同じ「リボン」型式だからうまく調和しそうとの予感がはなからする。



余談になるが、このデッカはあの「プリアンプ」で有名な「マーク・レヴィンソン」氏が使っていた「H・Q・D」システムの一部を成していたことでよく知られている。

Hは「ハートレーのウーファー」、Qは「クォードのコンデンサー型をスコーカーとして使う」、Dは「デッカのリボン型ユニットをツィーターとして使う」というもの。

デッカのツィーターは「リボン」型特有の自然かつ繊細な響きによってクラシックにもジャズにも使えることで重宝されており、古参のマニアに愛好者が多いことで知られている。

そもそも往年の音楽ファンにとっては「デッカ」と聞いただけで胸がふるえるほどのブランドだからイメージとしてはとてもいいはず。

一時ツィーターに嵌っていた時期があり、あまりにも評判がいいので「物は試し」と購入したのだが、JBLの「075」あたりと比べると能率が若干低いため使いづらく、このところ物置の片隅でずっと「髀肉之嘆」(ひにくのたん)をかこっていたのが実状である。   



ローカットを調整するコンデンサーもアンプもそのままで、ツィーターだけ入れ替えたが、明らかに「スーパー3」よりも上で、全体の音色にまったく違和感がないのに驚いた。

検証その2:やはり「リボン」には「リボン」が合うなあ~。

よしっ、「5点」の差は完全に埋まったぞ・・、正月までこれで行こう!!

副産物として、やっとデッカの「生き場所」が見つかったのでひと安心(笑)。


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