「東京を壊滅寸前まで追いやった大震災から4年後、息子を喪った刑事くずれのヤクザ巽丑寅は、不思議な魅力を持った少年、丈太と出会う。彼の背後に浮かび上がるいくつもの謎―消えていく子供たち、埋蔵金伝説、姿なきアナーキスト、不気味に姿を変えつつあるこの街―すべての鍵は封鎖された「島」、お台場に―!?・・・」
この作者の3冊目は、初期の作品を選びました。
読み始めて、時代背景設定に興味が湧きました。
「ユーロの急激な信任低下と中国バブルの崩壊に端を発した第二次世界恐慌の波は、当然のように日本も飲み込んだ。・・・そして、人々の不安が、絶望と言うレベルにまで崩落する、決定的な出来事が起こる。東京湾北部大震災――。・・・あの大震災から丸四年――。」
東日本大震災発生は2011年3月11日、その前に作品が発表され選考会(第30回横溝正史ミステリ大賞最終選考会・・2010年4月19日)が行われていた・・、本書の発行は平成22年9月30日(選考後の加筆訂正あり)。
無国籍児・・、関東大震災後の無政府主義者大杉栄の殺害・・、都知事・大手ゼネコン・広域指定暴力団の癒着による、臨海地域復興プロジェクト(超大型公共事業)・・、末尾の賞の選評を読むと、プロはよく気付くものだなぁと思いましたが・・、長めの話を一気に読む集中力が無くなってしまっているので、前に出た人物名を忘れてしまって時々後戻りするのが面倒くさかったし、最後の方はドタバタ感はあったけど・・、面白く読めました。
(21/04/18画像借りました。)
余談
返却・借出しに行くと、「急に1ヶ月の休館決まったのでたくさん借りて下さい」との事だったので、この作者の本4冊と他に2冊を借りました。
コロナ感染拡大が収まらず、「まん延防止等重点措置」適用要請等と関連しているらしい。
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