共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

350年前の《動物の謝肉祭》

2015年04月19日 21時23分45秒 | 音楽
今日は一日外出もせず、ひたすらバロックヴァイオリンの練習をしていました。

しばらくはビーバーのパッサカリアを弾いていたのですが、ふと思い立ってしばらく放ったらかしにしていた楽譜を引っ張り出して弾いてみました。それが同じくビーバー作曲の《抽象的ソナタ》という面白い曲です。

この曲はいわゆる整ったソナタというよりも、いろんなスタイルの曲を集めたパルティータのような作品です。で、何が面白いかと言うと、ファンファーレのような勿体ぶったプレリュードに続いて、ナイチンゲール、カッコウ、蛙、鶏、ウズラ、猫(の後に何故か銃士隊の行進とアルマンド舞曲)といった様々な動物が描写されているのです。こういった作品で一番ポピュラーなのは20世紀初頭にサン=サーンスが作曲した《動物の謝肉祭》(チェロの独奏曲として有名な『白鳥』のある組曲)ですが、それよりもはるか昔のバロック時代中期に、こんな自由でぶっ飛んだ曲を作った人がいたのです。

勿論ただ単にイロモノ的にぶっ飛んでいるのではなく、短いながらもヴィルトゥオーゾだったビーバーの面目躍如たる技を駆使したソナタが用意されているので、なかなか弾き応えがあって難しい曲です。でも、将来的に発表会の講師演奏で子供達の前で演奏してあげたいと思うので、折に触れて練習することにします。

ということで、この奇想天外なバロック作品をイル・ジャルディーノ・アルモニコの演奏でお楽しみ下さいませ。

Sonata representativa in A major
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