今日は桃の節句でございます。が、今年は特にそれらしいことはせずに終わってしまいました。
昨今は何事もコンパクトサイズが主流のようですが、雛人形もその例に漏れず、嫌な言い方をすればチンマリしたものばかりが目立つようになっていわゆる七段飾りのような立派なものには殆どお目にかからなくなりました。住宅事情等の避け難い問題もあるでしょうが、緋毛氈敷きの段飾りが無いというのも何とも寂しい限りです。
ところで段と言えば、たまプラーザ駅の南口に向かう階段に、御覧のような物々しい足場が組まれています。何でも完成から10年も経っていないのに、もう補修工事が必要になったのだとか。この階段の真上には通路や店舗が入っていますから、結構長いことかかるかも知れません。
最先端の建材を使っていても、こんなに早く補修を必要としてしまうのであれば、最先端も何だかあてになりません。完成後に東日本大震災があったことを割り引いても、あれだけ多くの乗降客のある大きな駅の駅舎としては、もうちょっと丈夫に作っておいて頂かないと困ります。
かつて奈良の薬師寺金堂を白鳳様に再建する際、西岡常一棟梁が伝統的工法で建てるべきと強く主張したのに対し、当時の建築工学の権威や管轄官庁は耐震や防火の観点や建築法を盾にして『最新の技術』である鉄筋コンクリートでの建設を譲りませんでした。その結果、国宝の薬師三尊が安置される内陣を鉄筋コンクリートで、通路や外壁にあたる外陣を伝統の漆喰仕上げによる古代建築工法で仕上げるという妥協案が示され、双方が合意して金堂が完成しました。
それから30年も経たない間に、鉄筋コンクリート作りの内緒には阪神淡路大震災の揺れの影響等であちこちにひび割れが生じて、全面的に改修工事を余儀なくされました。その間、金堂は半分以上の部分が立ち入り禁止になり、かろうじて薬師如来像のみが拝観できるだけという惨憺たる状況に陥りました(その間に脇侍である日光・月光両菩薩像が東京に出開帳されたのは怪我の功名でしたが)。一方外陣は、同じように震災に遭ったにも関わらずびくともせずに今日まで偉容を誇っています。
もしかすると『最先端』の建材というものは、経済活動の一翼を担う役割として思ったよりも早くダメになるような仕掛けがなされているのかも知れません。ただ、高温多湿な日本の国で、乾燥した外国で開発された鉄筋コンクリートというシロモノは向いていないだけなのかも知れません。
いずれにせよ、今は一刻も早くこの不粋な足場が無くなるのを待つばかりです。
昨今は何事もコンパクトサイズが主流のようですが、雛人形もその例に漏れず、嫌な言い方をすればチンマリしたものばかりが目立つようになっていわゆる七段飾りのような立派なものには殆どお目にかからなくなりました。住宅事情等の避け難い問題もあるでしょうが、緋毛氈敷きの段飾りが無いというのも何とも寂しい限りです。
ところで段と言えば、たまプラーザ駅の南口に向かう階段に、御覧のような物々しい足場が組まれています。何でも完成から10年も経っていないのに、もう補修工事が必要になったのだとか。この階段の真上には通路や店舗が入っていますから、結構長いことかかるかも知れません。
最先端の建材を使っていても、こんなに早く補修を必要としてしまうのであれば、最先端も何だかあてになりません。完成後に東日本大震災があったことを割り引いても、あれだけ多くの乗降客のある大きな駅の駅舎としては、もうちょっと丈夫に作っておいて頂かないと困ります。
かつて奈良の薬師寺金堂を白鳳様に再建する際、西岡常一棟梁が伝統的工法で建てるべきと強く主張したのに対し、当時の建築工学の権威や管轄官庁は耐震や防火の観点や建築法を盾にして『最新の技術』である鉄筋コンクリートでの建設を譲りませんでした。その結果、国宝の薬師三尊が安置される内陣を鉄筋コンクリートで、通路や外壁にあたる外陣を伝統の漆喰仕上げによる古代建築工法で仕上げるという妥協案が示され、双方が合意して金堂が完成しました。
それから30年も経たない間に、鉄筋コンクリート作りの内緒には阪神淡路大震災の揺れの影響等であちこちにひび割れが生じて、全面的に改修工事を余儀なくされました。その間、金堂は半分以上の部分が立ち入り禁止になり、かろうじて薬師如来像のみが拝観できるだけという惨憺たる状況に陥りました(その間に脇侍である日光・月光両菩薩像が東京に出開帳されたのは怪我の功名でしたが)。一方外陣は、同じように震災に遭ったにも関わらずびくともせずに今日まで偉容を誇っています。
もしかすると『最先端』の建材というものは、経済活動の一翼を担う役割として思ったよりも早くダメになるような仕掛けがなされているのかも知れません。ただ、高温多湿な日本の国で、乾燥した外国で開発された鉄筋コンクリートというシロモノは向いていないだけなのかも知れません。
いずれにせよ、今は一刻も早くこの不粋な足場が無くなるのを待つばかりです。