共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

トンボのメガネはハ長調?

2018年10月30日 20時45分15秒 | 音楽
今日は『これぞ秋晴れ!』と言うくらいの天高い日和となりました。

夕方頃、我が家の近所を歩いていたら、ちょうど目の前にあった駐車場のパーティションの上に、赤トンボが一匹留まったのです。これは秋らしい写真が撮れる!とばかりにそ〜…っと徐々に近づいて、後から失礼してみました。

それにしても、改めて見るとトンボという生物は、あの無骨なヤゴから生まれ出たとは想像もつかない繊細な姿と美しい形をしているものだと気付かされます。夕日を写したような真っ赤な身体に、極限まで薄く仕上げた四枚の薄翅、それを毎秒数百回動かす強靭な筋肉と多孔質の複眼…神様はどうしてトンボをこんな造形にしたもうたのでしょうか。

かつてアール・ヌーヴォーのジュエリーとガラス作家ルネ・ラリックが、トンボのモチーフのブローチやランプを作ったのもこの翅虫の造形に惹かれたからこそでしょうが、こうして改めて近くで薄い翅の輝きを見てみると、そうしたラリックの気持ちが分かるような気もしてきます。

ところで話はガラリと変わりますが、私の知り合いのピアノの先生が近くにある幼稚園の横を通りかかった時に、中から子供達が《トンボのメガネ》を歌っている声が漏れ聞こえて来たのだそうです。ただ、その時ピアノを弾いていた幼稚園の先生の伴奏が

C        C       
トンボのメガネは 水色メガネ

C        C     
あ〜おいおそらを 飛んだから〜

C       C   
飛ぉ〜んだ〜か〜ら〜♪

と、全編に渡ってひたすらハ長調で押し通していたそうなのです。

私はこの話を伺って、正直ズッコケてしまいました。いや、ちょっと斬新過ぎるでしょ…と。

試しにピアノで、左手でひたすら

『ドソミソ、ドソミソ…』

と弾き続けながら《トンボのメガネ》を弾くなり歌うなりしてみると分かると思いますが、一段目はまだいいとして、特に二段目の最後の『飛んだから〜』の『ら〜』のところの音が、そのコードのレの音に相当するわけです。そこに『ドソミソ』を強行すると、ドミソのドとミの間にレが挟まって『ドレミソ』となります。これはCadd9といって、ジャズなんかで使われるかなりオサレなコードになってしまうのです。しかもこのコードは曲のシメに使われることが多いので、そこから後に続く感じがあまりしません。なので、三段目に入った時に突然普通のCに帰った時に、尚更強引な感じを受けないとも限らないのです。

まぁ、ある程度のドミナント感を大事にしつつ、ちょっとオサレな感じにしたいのであれば、例えば私なら…

C   G     Am F FonA C
トンボのメガネは 水色 メ ガ ネ

Am   Em    FM7   B♭
あ〜おいおそらを 飛んだから〜

Am   Dm7 G7 Csus4 C 
飛ぉ〜んだ〜か〜ら〜

くらいはやるかも知れません。

恐らく、聞いている子供達はキョット〜ン(?_?)とするかも知れませんが…^^;。
コメント
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