共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

音楽鑑賞でショスタコーヴィチの《祝典序曲》を

2022年07月01日 20時10分20秒 | 音楽
皆様、連日お暑うございます。もう、ちょっと外を歩いているだけで簡単に日焼けしてしまいます。

ところで、今日5年生の音楽の授業で



ショスタコーヴィチの《祝典序曲》を鑑賞しました。オーケストラの響きを感じることを目的としたものですが、随分と派手やかな曲を選んだものです。

《祝典序曲》は1947年8月末に十月革命30周年を記念して作曲されました。しかし当時は発表されずに終わり、その7年後の1954年、ロシア革命37周年記念演奏会のためにボリショイ劇場管弦楽団からの委嘱作品として改作されました。

この曲をの誕生には、とんでもないエピソードがあります。実はボリショイ劇場側が記念演奏会の幕開けに相応しい新作がないことに演奏会当日のわずか数日前になって気付き、間際になって慌ててショスタコーヴィチに

「大至急で序曲を書き上げてくれ!」

と打診してきたのです。

ショスタコーヴィチはこの急な依頼にわずか3日間で応じ、同年11月6日に初演されました。きっかけもとんでもないですが、ショスタコーヴィチの仕事の速さもとんでもないです…。

この曲はスターリンの死の翌年に完成されたことから、スターリン体制からの解放を密かに祝って作曲されたのではないかと訝る向きもあります。それまで散々因縁をつけられ、その都度スターリンに始末書書かされたショスタコーヴィチにしたら、こんなファンファーレが鳴り響くような晴れやかな気持ちになっても不思議ではありません。

個人的な話ですが私はこの曲を何度か演奏したことがあるので、聴いていて懐かしい気持ちになりました。最近はなかなかできませんが、そのうちこうした大規模オーケストラにも乗ってみたいものです。

そんなわけで、今日はショスタコーヴィチの《祝典序曲》をお聴きいただきたいと思います。マリス・ヤンソンス指揮のバイエルン放送交響楽団による演奏でお楽しみください。



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