今日、教室の生徒が一人退会して行きました。大学受験準備に入るためです。
その子は幼稚園の年中さんくらいから始めているので、もう10年以上続けてくれていました。その子も気づけば高校3年生、いやはや、歳とるはずです…。
その子には『トンボのめがね』から始まって、毎年発表会でいろいろな曲を演奏してもらいました。ただ、昨年と今年は新型コロナウィルス騒動に巻き込まれて遂に発表会の舞台に立たせてあげることが出来なかったのが悔やんでも悔やみきれません。
聞いたところによるとなかなかのレベルの大学を目指しているということでしたが、文武両道の彼ならきっと合格できるでしょう。私としても春先頃から状況的に退会の話が出てくるかな…と思っていたのですが、思いの外こんな梅雨時期まで続けてくれたことにビックリです。
受験は本人が戦うもので、周りはただその頑張りを見守るしかできません。なので、私なりに出来そうなせめてもの精神的サポートとして
湯島天神の御守と御札をプレゼントしました。これは先週の土曜日に、
夏越の大祓が挙行されていた湯島天満宮に参詣した折に拝領してきたものです。
別れ際に肘タッチをした時、不覚にもお互いに泣いてしまいました。どんなにこれまで長い間携わり親しく愛おしく思っていても、新型コロナ故にハグはおろか頭ポンポンや握手すら儘ならないとは…。
考えてみれば、人様のお子さんとは言え一人の人間が、無邪気にキャッキャしていた幼少期から少年期を経て、多感な思春期から青年になりなんとする成長過程を共有するなどという経験もそうできるものではありません。ですから、お互いに万感溢れてしまったのも無理もないと言えばそうなのかも知れません。
今後の私はただ、彼のこれからの健闘を陰ながら応援し見守るしかできません。そして来年の春、その健闘が彼に素晴らしい結果をもたらしてくれることを陰ながら祈ろうと思います。