朝のうちに降っていた冷たい雨は午前中に上がり、午後からは時折晴れ間ものぞくようになりました。それと共に蒸し暑くなってきて、結局エアコンをつけることとなりました。
さて、今日は自宅でヴィオラの練習していたのですが、久しぶりに
バッハを弾いてみることにしました。今日取り組んだのは
《ヴィオラ・ダ・ガンバとオブリガートチェンバロのためのソナタ第3番ト短調 BWV1029》です。
バッハがケーテンの宮廷に務めていた時 (1717〜1723)に、その宮廷楽団にはヴィオラ・ダ・ガンバとチェロの名手として知られていたクリスティアン・フェルディナント・アーベル (1682〜1761) が在籍していました(因みにバッハの《6つの無伴奏チェロ組曲》はアーベルのチェロを想定して作曲されたといわれています)。また当主であるケーテン公レオポルトもガンバを嗜んでいたことから、バッハは1720年頃に、第1番ト長調 BWV1027、第2番ニ長調 BWV1028、第3番ト短調 BWV1029の3曲の《ヴィオラ・ダ・ガンバとオブリガートチェンバロのためのソナタ》を作曲した…と言われています。
第1番と第2番が緩-急-緩-急の4つの楽章から成っているのに対して、第3番は急-緩-急の3つの楽章から成っています。ト短調ならではの緊張感ある主題がヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロの両手によって綾織のように展開していく第1楽章、変ホ長調の柔らかな響きが優しい間奏曲のような第2楽章、疾走感のあるフーガがたまらない第3楽章と、どこをとっても魅力的な作品です。
ただ練習してみて思ったのですが、ヴィオラで弾けるところが殆どとはいえ、要所要所にある低音が出せないことがどうしても気になります。やはりこの作品はヴィオラ・ダ・ガンバがチェロで演奏しないと、本来の魅力は引き出せないのだろうな…と再認識させられたのでした…。
そんなわけで、今日はバッハの《ヴィオラ・ダ・ガンバとオブリガートチェンバロのためのソナタ第3番ト短調 BWV1029》をお聴きいただきたいと思います。マルティン・ヤンツェンのヴィオラ・ダ・ガンバとフィオーラ・ファブリのチェンバロで、バッハならではの緊密感のある音楽をお楽しみください。