今日は天長節で、学校はお休みです。本当は明治神宮の秋の例祭に行こうかとも思ったのですが、私が観たかった舞楽奉納は先週の土曜日に終わってしまったようなので、今日はゆっくりと過ごすことにしました。
個人的な話ですが、11月3日というと私が高校時代に所属していた部活の定期演奏会が開催されていた日です。私が通っていた高校には吹奏楽部ではなくオーケストラ部があって私はそこでヴィオラと出会ったのですが、そこで私の人生の方向性が決まったのです。
私が初めて定期演奏会に参加した時のプログラムは
◎ワルツ《ドナウ川のさざなみ》(イヴァノヴィチ)
◎イタリア奇想曲(チャイコフスキー)
◎交響曲第5番ハ短調《運命》(ベートーヴェン)
という、初心者が弾くにはあまりにもハードルの高い曲だらけでした。これを、4月に入部した新人に楽器を持たせて練習させ、夏休みにはお盆以外は毎日練習&学内施設で4泊5日の合宿もし、11月3日には全員舞台にのせて本番をやらせて成功させていたのですから、私の恩師たる部活顧問はとんでもない人でした。
その恩師も、一昨年の11月3日に彼岸に発たれました。毎年定期演奏会を開催していた日に旅立つとは、いかにも恩師らしいと言うか何と言うか…。
その定期演奏会で毎回アンコールとして演奏していたのが、
ジャン・シベリウス(1865〜1957)作曲の交響詩《フィンランディア》でした。これまた難しい曲ですが、壮大なアンサンブルと『フィンランディア賛歌』の美しい旋律が、弾いていて気持ちいい音楽でした。
今でも《フィンランディア》を演奏する機会があると、高校時代を思い出します。あの必死に練習した青春時代は、確実に現在の自分の礎になっています。
そんなわけで、今日は個人的に思い入れ深いシベリウスの交響詩《フィンランディア》をお聴きいただきたいと思います。オスモ・ヴァンスカ指揮、ラハティ管弦楽団の演奏で、フィンランド第2の国歌としても歌われる名旋律をお楽しみください。
ここに改めて、我が恩師に哀悼の意を表します。合掌。