共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

今日はボロディンの誕生日〜ロマンティシズムあふれる《ノクターン》

2021年11月12日 20時15分20秒 | 音楽
今日も小学校の支援級では様々な事件がありました。ただ、私は誰にも肩入れしない=特定の子の味方をしない人だということが子どもたちも分かっているようで、何かトラブルがあっても私にはチクりに来ることはありません。

ところで、今日11月12日は作曲家ボロディンの誕生日です。



アレクサンドル・ポルフィーリエヴィチ・ボロディン(1833〜1887)は帝政ロシアで活躍しロシア音楽の作曲に打込んだロシア5人組の一人である作曲家で、化学者、医師でもあった人物です。

ボロディンは若い頃からピアノの稽古を含めて優れた教育を受けましたが、その後サンクトペテルブルク大学の医学部に入学して最優秀で卒業後に陸軍病院に勤務し、24歳の時には医学の会議の出席のためにヨーロッパに長期出張しました。

ボロディンは1863年にミリイ・バラキレフ(1837〜1910)と出会うまで作曲を正式に学んだことがありませんでしたが、それでも1869年にバラキレフの指揮によって《交響曲第1番》が公開初演され、同年ボロディンは《交響曲第2番》にも着手しました。

1869年には『ダッタン人の踊り』で有名となっているオペラ《イーゴリ公》の制作に着手しました。しかしボロディンは科学者としての本職や公務に忙殺されて生前この作品を完成できなかったため、没後にニコライ・リムスキー=コルサコフ(1844〜1908)とアレクサンドル・グラズノフ(1865〜1936)によって補筆と改訂が進められたものが現在上演されています。

ボロディンの作品は力強い叙事詩的性格と豊かな和声が特色で、いわゆる「ロシア五人組」の同人としてロシア的な要素は否定すべくもありません。それと同時に情熱的な音楽表現や比類のない和声法は、ドビュッシーやラヴェルといったフランスの作曲家にも影響を与えました。

そんなボロディンの叙情性が色濃く表れている作品のひとつが《弦楽四重奏曲第2番ニ長調》の第3楽章、通称『ノクターン』です。

《弦楽四重奏曲第2番ニ長調》は1881年に作曲、1882年に初演された作品です。ボロディンが妻に愛を告白した20周年の記念として、エカテリーナ・ボロディナ(作曲家夫人)に献呈されたというロマンティックな逸話をもつこの作品は、ボロディン個人のみならず19世紀ロシア帝国を代表する室内楽のひとつとなっています。

その中でも『ノクターン』の通称を戴く第3楽章はそのメロディの美しさ故に単独で演奏されることも多く、弦楽合奏やサックスアンサンブルといった様々な形態でも演奏されています。

そんなわけでボロディンの誕生日である今日は、彼のリリシズムあふれる名曲である《ノクターン》の美しいメロディを御堪能ください。



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