ゲートボール(GB)日記

まちなかの公園でGBを楽しんでいます。GBは老若男女一緒に楽しめる数少ないスポーツの一つです。まちびと

小網代(こあじろ)の森

2016年02月11日 | Weblog
まだ県立公園になっていないようですが、今日、神奈川県自然環境保全課が整備を進めて来た三浦市三崎町にある自然公園「小網代の森」に行って来ました。
日本の場合は、自然の単位を川の源流から海までの流域とすることは理にかなっています。
しかし、このような単位で自然が保全されている地域が日本では珍しくなりました。
川の上流域の自然が保全されているところは多いと思いますが、中流域、下流域は開発が進み、源流から海まで自然のままという所は少ないと思います。

ところが面積は70ヘクタールと狭く、大自然とは言いがたいのですが、三浦半島の南部、小網代湾の西側に、長さ1.2kmの川が流れており、この流域が源流から海までほぼ自然の状態で残っています。
小網代湾はヨットハーバーなどができ、その周辺は観光施設などができていますが、湾奥からは何もありません。
川は湾奥で河口干潟を形成し、海に流れ込んでいます。
川の途中にはダムのような水量調節施設がありませんから、大雨が降れば、川幅は広くなり、雨が降らなければ狭くなります。
大資本が土建型大規模リゾートを建設する計画を持っていたので自然が残っていたそうです。

慶応大の進化生態学を専門とする先生であった岸由二氏が、ここが非常に貴重な自然であることを知り、地元の自然保護活動を始めた人々と協力して自然保護活動を始めたそうです。
氏の、小網代の森が川の源流から海までの流域を自然のまま残している貴重な地域であるという理論的な流域思考に基づく自然保護論が非常に説得力があり、神奈川県も、三浦市も、土建型大規模リゾートを企画していた大資本も動かしたようで、自然公園にすることに成功したそうです。

私は源流から川を下る方向で谷部を1.2km小網代湾河口干潟まで散策しました。
高低差は70mぐらいです。
散策路がよくできています。
冬ですが谷部や山部の景観は感動的でした。
北の谷と中央の谷が合流する部分は広い湿地が形成され、大自然の中にいるような錯覚を覚えました。
ちょうど干潮で湾奥は干潟が広がっていました。
その向うは美しい小網代湾です。

冬には冬、春には春、夏には夏、秋には秋の自然があり、何度行っても飽きない自然公園と思います。

京急三崎口からバス(歩くと30分)で引橋まで行くと、源流近くの引橋入口から公園に入ることができます。
自然を観察しながらゆっくりと下れば、1時間は気持ちのいい散策を楽しめます。
私は午前中歩き、油壷に行って、お昼、魚料理を食べ、油壷からバスで三崎口に戻って帰途につきました。