この本は、著者の祖母が15歳で軍閥将軍の妾になるところから物語が始まります。
とてつもない物語が始まるような予感です。
その祖母の暮らし、日本が占領した満州国での話、
母の時代になり、父や母の共産党員としての仕事、
著者が生まれてからの、文化大革命の悲惨…。
ここであらすじを書くのは避けますが、
(と言っても、書けと言われても私の思考回路ではまとまらなくて書けないけど…(-_-;)
日中戦争のわずかな知識はあっても、中国内での文化大革命など、無知なことに多くを知りませんでした。
人間とは、こんなにも残酷になれるのでしょうか。
人間とは、残酷なものなのでしょうか。
集団心理を巧みに利用した、暴力的な大衆運動…。
とは言え、なぜ約1000万人といわれる大量虐殺にまで及んでしまうのか…。
資本家層、知識人、その後は中国共産党員が弾圧の対象になった訳は?…確かに少し触れられていますが、がっくりしつつ、なるほどと納得するだけの理由がわかりませんでした。
文化財の被害についてもそうです。なぜ重要な文化財が壊されなければならなかったのか…。
この本からは数々の刺激的な内容が伝わってはくるけれど、文化大革命の何故?が伝わってきませんでした。
文化大革命の核心部分に突込みがなく、著者の個人的感情だけで綴られている感じがしました。
ノンフィクションではなく、手記として読めばすごい作品だと思いますが。
淡々と、次々と事件が語られていきます。
著者と家族だけが、美しく勇敢で優れているように書かれているのもちょっとうんざりでした…。