「9」のつく日は空倶楽部の日。
この輝きが少しでも長く続いてほしい──
今年最後の琵琶湖を眺めながら、そう思った。
12月22日16時30分頃 長浜市野鳥センター Sony α99 F2.8G/70-200㎜ (F/11,1/100sec , ISO100)
冬至の夕陽は竹生島に落ちる ──。
野鳥センターのスタッフの方にそう教えていただいたのが4年前。
それ以来、年末の琵琶湖通いが始まった。
琵琶湖の北端には、葛籠尾(つづらお)崎と呼ばれる小さな半島が張り出し、
また、その先には竹生島がぽっかりと浮かんでいる。
さらに、向こう岸遠くの比良山系の眺めも含めて、
自分にとって、琵琶湖の中でもっとも好きな風景の一つである。
その風景を染める夕陽を狙って、はるばる出かけていくのだが、
実はこの夕陽、いつでも見ることができるわけではない。
秋分の頃までの夕陽は葛籠尾崎の山中に落ちる。
それが、秋の深まりとともに、次第にその位置を湖面へと移し、
冬至には竹生島に向かって落ちていく。
その後、落陽は反転し、葛籠尾崎へと戻り、
春分を過ぎるとふたたび山中に隠れ、琵琶湖を直接照らすことはない。
つまり、この野鳥センターで夕陽を撮る時期は秋分から春分の半年間、
そして、そのクライマックスとも言える日が冬至なのである。
ところが、この時期の湖北は晴れ間が少なく、厚い雲に閉ざされることが多い。
この日の予報も高い降水確率であきらめ気分で訪れたわけだが…。
午後2時過ぎから厚い雲を眺めながら日没を待つ。
4時過ぎ、湖面近くの雲が流れ始め、
そして、日没前の一瞬、雲の間から覗く光が、空、そして湖面を金色に染め上げていった。
この輝きが少しでも長く続いてほしい!
そう祈りながら、夢中でシャッターボタンを押し続けたのである。
今年も、丸く形を整えて、真っ赤に落ちてゆく夕日をとらえることはできなかった。
しかし、充分とは言えないコンディションの中、一瞬の晴れ間に出会えたことが無性にうれしく、
この金色に輝く夕景もまた琵琶湖の風景と、高揚した気分で今年最後の撮影を終えることにしたのだった。
この風景を眺めながら、ふと思い出した曲。
ステイ ゴールド スティーヴィー・ワンダー
Stay Gold Stevie Wonder
空倶楽部のみなさんへ
今年もお世話になりました。
ご訪問、そして、いただいたコメントにただただ感謝申し上げるばかりです。
ほんとうにありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。
juraku-5th