「よかったよ」。壇上から降りて座席に着いた夫に、小さな拍手と共に掛けたねぎらいの言葉だった。夫婦共にゆかりの深かった恩師の生誕百年を記念して、ご遺族と故人を慕った教師や教え子たちで寄せ合い、つづった「追悼記」出版を祝う集いが過日行われた。生前故人がこよなく愛された郷土の偉人、西郷隆盛の詩「書懐」を亡き師に捧げたいと夫、初挑戦の吟詠お披露目となった。習い始めて2年余り。吟ずる夫より私の方がはるかに緊張感が高かったのでは、と苦笑するも澄んだ伸びやかな声は、日課の早朝ウオーキングの相乗効果も?
鹿屋市札元 神田橋弘子(68) 2006.4.15掲載
鹿屋市札元 神田橋弘子(68) 2006.4.15掲載