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生誕100年を迎えた絵本作家「八島太郎」は鹿児島県錦江町の出身。当時の小根占村の医師の三男として誕生し、東京美術学校に入学するが当時の軍国主義ファシズムに抵抗しプロレタリア芸術運動に身を投じた。
その後、同じプロレタリア美術家同盟の新井光子と結婚し、1939年に夫妻で渡米。第2次世界大戦末期には、日本向けの反戦ビラ・パンフなどを描き、米国で反戦活動を行っている。戦後はアメリカの出版社から「からすたろう」「あまがさ」「海浜物語」などでコルデコット賞を受賞、絵本作家の地位を確立した。
今回、八島太郎生誕100年記念行事として彼の故郷南大隅町・根占図書館で「八島太郎コレクション世界の民芸展」が開催された。根占図書館は日本で4番目に創設されたと言う歴史ある図書館である。
根占図書館参照。
八島太郎展には、彼の絵本の他に、彼が蒐集した世界中の人形も多数展示されていた。この人形たちは父母や祖父母が愛する子や孫に手ずから作ってやったものだという。芸術品ではないが、素朴で愛らしい人形たち約200点が並んでいた。(展示室は撮影禁止でした、ごめんなさい)。
会場には、この鄙びた町から世界に羽ばたいて行った「八島太郎」をしたう、多くの方々が県内外から来ておられ、絵本を手にしたり、紹介ビデオを見て感慨深そうだった
図書館を後にして、八島太郎生誕地まで足を伸ばし、当時を知る町の古老に、八島太郎が作ったと言われる反戦ビラを拾った貴重な体験談などを伺い、50数年前にタイムスリップしたような一日だった。
平和を願う彼の思いを、いつまでも伝え続けられますようにと祈りつつ。