はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

子の夢育む配慮 必要

2014-03-18 15:50:04 | 岩国エッセイサロンより
2014年3月18日 (火)


     岩国市    会 員    山下 治子  

 ある団体の創立記念講演会に、かつてサッカー少年 だった息子に誘われて行っ た。  
 往年の人気サッカー選手が、岩国錦帯橋空港を利用して東京から訪れ、「夢を 持つことの大切さ」という演題で熱く語ってくれた。  
 座席は、早くから小中学生や高校生、スポーツ団体やグループの子どもたちで埋まっていた。ところ が、「夢を目指す」子どもたちを座らせたい前列中央は、関係者で占められていた。  
 この日の講演は、子どもたちへのメッセージが中心だった。講師も、子どもたちへの配慮を望んでいたように思えた。  
  「この年頃に得た感動は鮮明に残るんだ。だから、もっと子どもたちを前面に出す企画をしてほしいよね」と息子が言う。当地方は、基地や原発建設の動向で揺れている。子どもたちの心を輝かせるのに、もう少し心遣いが要るのかもと、息子に共感した。 
        
       (2014.03.18 中国新聞「広場」掲載)岩国エッセイサロンより転載