いつもの散歩道にアジサイ。淡い緑の葉っぱの上にアマガエルの姿が目に入った。いよいよ梅雨入り。そして。田植えが始まる。僕の手伝いはあぜや土手を走り回って田んぼに苗を投げ入れる。母ちゃんが素足であぜを歩くのは危ないと「ワラジョイを踏め」と一つは履いて、一つは腰にぶら下げてくれた。
ワラジョイはじいさんが納屋で「ワラはね、餅米のワラが一番じゃっ!」と、言いながら編み上げていた。ワラは暮らしになくてはならない物であったが、今、あぜのワラジョイはどこを探しても、もはや昭和のこどもの心の中にしかない。
さつま町 小向井一成 2014/6/5 毎日新聞鹿児島版掲載
ワラジョイはじいさんが納屋で「ワラはね、餅米のワラが一番じゃっ!」と、言いながら編み上げていた。ワラは暮らしになくてはならない物であったが、今、あぜのワラジョイはどこを探しても、もはや昭和のこどもの心の中にしかない。
さつま町 小向井一成 2014/6/5 毎日新聞鹿児島版掲載