はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

気にかかる

2014-09-12 21:43:48 | 岩国エッセイサロンより
2014年9月12日 (金)

 岩国市  会 員   吉岡 賢一


もう6年生になったのだから「夏休みじいちゃん学校」は閉校だろうと思っていた。ところが「読書感想文とか作文、それに自由研究もあるから、オレじいちゃんちで勉強する」と言って、昨年同様午前9時、真面目に登校してくる孫3兄弟の次男君。そうなると、じじの予定は二の次で彼の受け入れを最優先して机に向かう。宿題が一通り終わった頃には新学期が始まった。雨の多い夏、連れ出して遊びほうけることもないまま小学校最後の夏休みを終えた彼。

2人で過ごした夏にじじは大満足。果たして彼はどんな「思い出」を残したのやら。

    (2014.09.12 毎日新聞「はがき随筆」掲載)岩国エッセイサロンより転載

補助犬に優しい県

2014-09-12 14:14:39 | ペン&ぺん


 この欄で私憤を述べるのは避けているが、でも今度ばかりは我慢ならない。皆さんもご存じの盲導犬オスカーが何者かに刺され、けがをした“事件”。盲導犬は視覚障害者の生活を支えている。まさに目の不自由な人の体の一部。盲導犬であっても犬は「物」。犯人を捕まえても、日本の法は器物損壊罪でしか問えないという。
 福岡市に住む姉(58)は親子で盲導犬や介助犬の子犬の世話をするパピーウォーカーを15年続けている。姉によれば、「一人前になるまで手間もお金もかかる。それでも一人前になれない犬もいて、そう簡単に育成できないのも現実」けがが元でオスカーが亡くなれば、大きな損失だったという。温厚な姉も怒り心頭だった。心ない人間から、補助犬を守る新法ができないものか。
 盲導犬や介助犬など補助犬への嫌がらせ、いたずら、障害者への暴言などが次々と表に出てきた。自分や家族が障害者だったら、相手の身になってとか、考えないのか。飲食店の中に「動物同伴の入場お断り」の張り紙を見ることがあるが、良識、常識のある店には必ず「盲導犬、介助犬など除く」と但し書きがある。法が同伴の受け入れを義務づけており、それを拒むことは障害者を受け入れないのと同じ。よく「他のお客が店内に動物がいるのを嫌うから」と聞くが、補助犬はペットとは違う。入店を拒否する理由にはならない。なぜ、おもんばることができないのか。
 鹿児島県民は、今回の件で最も憤慨している県民気質のはず。鹿児島には国内外から多くの観光客が訪れる。公共機関は当たり前で、どこでも障害者に優しい県でありたい。補助犬と一緒に来県する人も増えてくるに違いない。そこで、「鹿児島県は補助犬に優しい県」と条例などで、注意喚起してほしい。
  鹿児島支局長 三嶋祐一郎 2014/9/9 毎日新聞鹿児島版掲載