はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

バアバダンサーズ

2014-10-18 21:38:44 | はがき随筆
 すぐ下の妹と私は、同じフォークダンスクラブに所属している。
 先日は、自分の敬老会はさておき、施設の慰問に行った。その時の写真を、東京に住む末妹にラインで送ると「美人姉妹、いいですね」とか、「スカートがすてき」などと楽しいコメントが届いた。モロッコの孫娘も「バァバ、可愛い。大好き。こちらに踊りにきてね」と誘ってくれた。
 いよいよ国際デビュー? 「詩人と私」「ラクカラーチャ」の曲が弾む。
 見る人、踊る私たちの笑顔がはじける。
  阿久根市 別枝由井 2014/10/16 毎日新聞鹿児島版掲載

母の気遣い

2014-10-18 21:31:12 | はがき随筆
 「左」といえば、とかくネガティブな言葉を思い出してしまう。左前、左遷、左巻き、左利き、左膳など。だから、子供が左利きだと分かると、すぐ矯正をしようとしがちだ。でも近年、左手を使うことで右脳が活性化する、という学説を聞く。
 亡き母が、左利きの人に言った言葉を思い出した。「左利きの人が一家に3人いると、その家は栄えるけな」と。
 母が左手と右脳活性化の説を知っていたとは思えない。半世紀あまり前のこと。きっと左利きの人が覚えているであろう引け目を慰めるべく、気を使ったのだろうと思えてならない。
  鹿屋市 門倉キヨ子 2014/10815 毎日新聞鹿児島版掲載