こどもの書く字は、どういうわけか昆虫に似ている。たどたどしいはらいや、迷いのある角がそういう印象を与えるのだろうか。特に『見』という字は、昆虫じみている。横にはみ出した線は足のように曲がり、はらいもはねも、触覚のように伸びている。そのまま土に潜り込みそうな勢いだ。
彼がこんな字を書くのは、きっと今だけだろう。あり数年たてば、どこかつんとした、よそゆきの字を書くようになるのかもしれない。
象形文字さながらに自由な線を描く今の彼がいつまでもいとくれたらと思う。
鹿児島市 堀之内泉 2015/9/17 毎日新聞鹿児島版掲載
彼がこんな字を書くのは、きっと今だけだろう。あり数年たてば、どこかつんとした、よそゆきの字を書くようになるのかもしれない。
象形文字さながらに自由な線を描く今の彼がいつまでもいとくれたらと思う。
鹿児島市 堀之内泉 2015/9/17 毎日新聞鹿児島版掲載