はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

春浅し

2016-03-04 07:05:50 | はがき随筆
 

冬の寒さを引きずりながら、立春を迎えた。暦の上では春なのに春の感触はあまりない。されでも梅が咲きツバキが咲いて、花は春を迎えたようだ。気温は少し上がったが風は冷たくコートは脱げず、桜の咲くのを待っているしかない。白梅の咲いた庭にメジロが数羽。ミカンを輪切りにして枝に挿し、小鳥の可愛いしぐさを楽しんでいる。
 人の心と無関係に時は流れてゆく。そしていつか80年の人生が過ぎてゆく。振り返るとつかの間の一生。残り少ない人生ではあるが、心身ともに健康にして寒の戻りに耐えて、自然や人に感謝して生きてゆきたい。
  出水市 橋口礼子 2016/3/4 毎日新聞鹿児島版掲載