2016年3月10日 (木)
岩国市 会 員 山本 一
ある日、私一人で5歳の孫息子の子守をした。
昼食前、たまたま冷蔵庫に消費期限の近づいた豚肉があるのを発見。せっかくだから処分して妻を喜ばせようと、孫に「焼きうどんは好きか」と聞いた。
「どんなの。じいちゃんが作るの」と、彼は不安そうな目。「うん、上に目玉焼きを半熟で載せるよ」と彼の大好物をちらつかす。 「じゃあ、食べてもいい」と少し生意気な返事だ。
お好み焼き用ソースを、どさっ。さらに、彼の大好きなマヨネーズをこれも目の前で、どん。1時間かけて、やっと完成した。何年ぶりかで料理をしたので、どっと疲れが出た。
孫は、2口くらい食べて大声で「うまい」と言い、あっという間に完食した。だが、「お代わりは」と聞くと、「もういらない」。本当においしいときは、際限なく食べるものだが、と少し気になる。
帰宅した妻が残りを「おいしい」と言って食べた。が、孫にも妻にも心配りされたようで、何だか後味が良くない。
(2016.03.10 中国新聞「広場」掲載)岩国エッセイサロンより転載
岩国市 会 員 山本 一
ある日、私一人で5歳の孫息子の子守をした。
昼食前、たまたま冷蔵庫に消費期限の近づいた豚肉があるのを発見。せっかくだから処分して妻を喜ばせようと、孫に「焼きうどんは好きか」と聞いた。
「どんなの。じいちゃんが作るの」と、彼は不安そうな目。「うん、上に目玉焼きを半熟で載せるよ」と彼の大好物をちらつかす。 「じゃあ、食べてもいい」と少し生意気な返事だ。
お好み焼き用ソースを、どさっ。さらに、彼の大好きなマヨネーズをこれも目の前で、どん。1時間かけて、やっと完成した。何年ぶりかで料理をしたので、どっと疲れが出た。
孫は、2口くらい食べて大声で「うまい」と言い、あっという間に完食した。だが、「お代わりは」と聞くと、「もういらない」。本当においしいときは、際限なく食べるものだが、と少し気になる。
帰宅した妻が残りを「おいしい」と言って食べた。が、孫にも妻にも心配りされたようで、何だか後味が良くない。
(2016.03.10 中国新聞「広場」掲載)岩国エッセイサロンより転載