押し入れの片づけをしていたら、天袋の隅に小さな風呂敷包みを見つけた。開けてみると、私の学生時代の日記類。どうしてここにあるのかさえ覚えがない。読み出すと結構面白い。半世紀も昔のことで記憶にないことばかり。恋の悩みや、人としていかにあるべきか思索にふける姿が青臭い。詩や短歌もあって驚く。へーっ、文学少女だったんだ。そして思い出した。
二十数年前、実家でこれらを見つけ読み返したとき「青春小説が書ける」と我が家に持ち帰っていたのだった。すっかり忘れていた。まだ自分に夢を見られた過去の私が、そこにいた。
出水市 清水昌子 2017/1/1 毎日新聞鹿児島版掲載
二十数年前、実家でこれらを見つけ読み返したとき「青春小説が書ける」と我が家に持ち帰っていたのだった。すっかり忘れていた。まだ自分に夢を見られた過去の私が、そこにいた。
出水市 清水昌子 2017/1/1 毎日新聞鹿児島版掲載