はがき随筆・鹿児島

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「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

時代伝える建物

2017-01-08 18:51:22 | はがき随筆
 鹿児島市内にある優れた近代建築を無料で公開し、普段は室内に入れない私邸などが見学できる催しに参加した。JR鹿児島中央駅から200㍍東側にある小さな洋館と唐湊にある豪邸「K」を見て回った。小豆色をした三角屋根の洋館は大正初期の物で、天井飾りを見上げ1世紀前の空間を楽しむ。真っ白な鉄筋2階建の豪邸は、5年前に建てられ曲線のひさしをキノコ状の柱が支える斬新なフォルム。2階テラスは白い円筒形の茶室を囲む水盤に。建築物は時代も建材の一つと思う。一方でためらいなく文化財の建物が壊されるのはなぜ。
  鹿児島市 高橋誠 2017/1/3 毎日新聞鹿児島版掲載