まるで仙人のような人が、霧島の奥地に住んでいた。
初めて出会えたとき、その人の目を見てびっくり。澄み切った瞳だった。湖のように深く澄んでいる。今時、こんな目の綺麗な人に巡り合えたことはなかった。失礼とは思ったが、「おたくの目はきれいですね」と思わず口にした。「そうですか」と笑顔で返された。
まるで、かすみか雲でも食べているのではないか、と思わせるその方から、センリョウの葉に斑の入った、小さな苗木を分けてもらった。植えた鉢のセンリョウは、彼の瞳を思い出させる。
出水市 小村忍 2017/5/25 毎日新聞鹿児島版掲載
初めて出会えたとき、その人の目を見てびっくり。澄み切った瞳だった。湖のように深く澄んでいる。今時、こんな目の綺麗な人に巡り合えたことはなかった。失礼とは思ったが、「おたくの目はきれいですね」と思わず口にした。「そうですか」と笑顔で返された。
まるで、かすみか雲でも食べているのではないか、と思わせるその方から、センリョウの葉に斑の入った、小さな苗木を分けてもらった。植えた鉢のセンリョウは、彼の瞳を思い出させる。
出水市 小村忍 2017/5/25 毎日新聞鹿児島版掲載