はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

明るいエッセー

2017-06-03 18:48:25 | 岩国エッセイサロンより
2017年6月 3日 (土)
岩国市  会 員   山本 一

 今日は午後からエッセーの同好会がある。合評に持参するはがき随筆がまだ書けない。「明るい前向きなエッセーを書け」。これが私に対する会員の意見だ。   
ところが浮かんでくるのは老いた五体に絡むものばかり。この4、5月だけでも「突然の声帯異常」「ギックリ腰」などで、春爛漫の時季を暗く過ごした。家族ものが手近だが、妻が嫌がるのと安直過ぎるので、最近書かないようにしている。と、あれこれ悩んでいてこの文章を書き始めた。
何だか心が晴れてきたぞ。日常で出会った感動や思いを、率直に切り取れば良いのだ。
   (2017.06.03 毎日新聞「はがき随筆」掲載)

思わぬプレゼント

2017-06-03 18:47:53 | 岩国エッセイサロンより
2017年6月 2日 (金)
岩国市  会 員   上田 孝

 周防大島でのランチの帰り、いつもの道路から外れて集落に寄り道。行き止まりの小さな漁港に車を止めた。左手目の前の浅瀬に何と鳥居が。リトル宮島だ。港の突端まで歩きエメラルドグリーンの海と島々が織りなす絶景に見とれた後、神社に行ってみることに。
 木々の迫る小道を抜けると鎮守の森に囲まれた古いたたずまいの社。誰もいない。遠い昔にタイムスリップして静寂の時間を過ごした。一緒に行った義母は亡き義父の郷里なので大島はなじみ深いが「こんないい所があるとは知らなかった」と大喜び。思わぬ母の日のプレゼントになった。
      (2017.06.02毎日新聞「はがき随筆」掲載)