日めくりに最悪だという時は最悪でないと書いてある。まさにその通り。最悪は予告なしに矢のように飛んでくる。日暮れに玄関で足をすべらせ下駄箱でめがねが粉々になり、額が切れてポタポタ血が足元に。救急車で運ばれ目の上を7針縫うことになった。顔は青くはれてお岩さんになり、体はあちこち痛くなった。今では家の中でも杖をついている。コトコト杖の音で思い出した。昔友達と何度も見てまねをしていたモダンタイムス。思っただけで心が弾んで来た。雨に唄えばのタップもよかったなあ。杖でリズムを取ってみる。
熊本県八代市 相場和子(94) 2021/4/3 毎日新聞鹿児島版掲載