はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

人生の先輩

2021-04-17 21:40:34 | はがき随筆
 去る2月、私の随筆「笑顔で挨拶」が掲載に。初投稿より12年目で次の題材に悩んでいたので大変うれしかった。向上心が湧き、自作の絵画に切り張り、数十枚コピーした。誰より先に一読願うのは教職上がりのT先生。文章の達人で御年96歳。夫の妹さん仲介役で即届く。妹さんは私と同年齢で心も通じ、生き方上手の努力家ゆえ先生と直接面会したいが、やはり出過ぎることに遠慮がち。すると打てば響く鐘のように即、情熱ある感想文のお手紙が。81歳の私、複雑な思いの多い中、人生の先輩として尊敬し見習いながら、終着駅へと前進、さあ今日も出発。
 鹿児島県肝付町 鳥取部京子(81) 2021/4/15 毎日新聞鹿児島版掲載

グランプリに竹之内さん

2021-04-17 21:22:29 | はがき随筆
グランプリに竹之内さん 
ペンクラブ鹿児島 昨年のはがき随筆

 「はがき随筆」など毎日新聞への投稿ファンでつくる毎日ペンクラブ鹿児島(高橋誠会長)は、会員による2020年のはがき随筆作品のグランプリに、鹿児島市の竹之内美知子さんの「金魚の親子雲」(4月23日掲載)を選んだ。準グランプリは鹿児島県鹿屋市の西尾フミ子さんの「ルリマツリ」(12月2日)に決めた。
 会員による投票で決定する。今回は竹之内さんと西尾さんの作品が他を引き離して拮抗したため、特別賞として西尾さんに準グランプリを贈ることを決めた。
 竹之内さんの作品は、空を流れる雲を親子に見立てて穏やかな晴天の朝の風景を切り取った。西尾さんの作品は、部活動の帰り道に花に目を留めた少女とのやり取りを秋の夕暮れの一コマにまとめた。
 【西貴晴】

救急車

2021-04-17 21:04:52 | はがき随筆
 自宅が県立病院近くなので救急車のサイレンは毎日耳にする。先日、一方通行の先頭で赤信号のため停車していたところ遠くから「ピーポー」の音が近づいてきた。右か左か前方かと神経を集中しながら、ふとバックミラーを見ると、後ろに迫ってきていた。停車しているのは自分の1台でけで道幅は狭い。
 とっさにハンドルを切り、左ギリギリに寄せる。体まで左寄りで見守っていると、徐行しながらスッと通り抜けていった。
 晩年の母を看ている頃、何度も救急車のお世話になったことが思い出される。一刻も早く目的地に着きますように……。
 宮崎市 藤田悦子(73) 2021/4/14 毎日新聞鹿児島版掲載