布ぞうり作りが楽しくて仕方がない。1作目は3歳半の孫娘に、キティちゃんの模様入りでこしらえた。ご機嫌をとって履かせたが、「バアバ、ナーちゃん、いや、履きたくない」とあっさりと断られた。
次の作品は左右不ぞろいで、思わずふきだしてしまったが、母へのプレゼントにした。
「あら、いいねえ。私も作れないかなあ」と首をかしげて見入っている。
記憶を捨て始めている89歳の母が久しぶりに興味を示し、教えて欲しいと言い出した。
そこで編みひもをミシンで縫ってもらった。調子よく縫い上げていく。
「お母さん、すごいね。上手上手」
「8歳の時からミシンを使っているのよ。まだまだ大丈夫ね」
母はがぜん生き生きとしてきて若返った感じだ。
ぞうり作りをエンジョイするひとときを、母と私のジョイ・タイムと名付けよう。次はどんな配色にしようか。誰にあげようか。私の心もときめく。
縫う速度も自在に調節して、母はすこぶる会長だ。しばらくしてミシンの音が止まった。
「由井ちゃん、全部塗ったよ。ところでこれは何になるの?」
母の顔に童女の笑いがはじける。
鹿児島県阿久根市 別枝由井(65)
2007/7/23 毎日新聞鹿児島県版「女の気持ち」掲載
次の作品は左右不ぞろいで、思わずふきだしてしまったが、母へのプレゼントにした。
「あら、いいねえ。私も作れないかなあ」と首をかしげて見入っている。
記憶を捨て始めている89歳の母が久しぶりに興味を示し、教えて欲しいと言い出した。
そこで編みひもをミシンで縫ってもらった。調子よく縫い上げていく。
「お母さん、すごいね。上手上手」
「8歳の時からミシンを使っているのよ。まだまだ大丈夫ね」
母はがぜん生き生きとしてきて若返った感じだ。
ぞうり作りをエンジョイするひとときを、母と私のジョイ・タイムと名付けよう。次はどんな配色にしようか。誰にあげようか。私の心もときめく。
縫う速度も自在に調節して、母はすこぶる会長だ。しばらくしてミシンの音が止まった。
「由井ちゃん、全部塗ったよ。ところでこれは何になるの?」
母の顔に童女の笑いがはじける。
鹿児島県阿久根市 別枝由井(65)
2007/7/23 毎日新聞鹿児島県版「女の気持ち」掲載
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