2010年6月 3日 (木)
岩国市 会 員 横山 恵子
5月25日付広場欄の「水難救助には浮き袋を」を読み、小学校時代のつらい出来事を思い出した。
近くの川で一緒に泳いでいたAちゃんが深みに入り、そばにいた私にしがみついた。それは想像だにしないものすごい力だった。私が潜ると手を離したので何とか助けることができた。
おぼれる人の救助には、浮袋か長い棒が必要なことを身をもって知った出来事だった。
夏休みには祖父母の住む田舎に泊まりに行った。近所のSちゃんが「明日は岩国のおばさんの家に行くんよ」とうれしそうに話してくれた。
しかし、その2日後、Sちゃんは変わり果てた姿で帰ってきった。子どもたちだけで泳ぎに行きおぼれてしまったのだ。
Sちゃんのおとうさんは連れて帰るタクシーの中、生き返るのではと、ずっと抱いておられた。その夜、私は祖父の後を思い足どりでついって行った。
Sちゃんは、まるで眠っているようだった。お母さんは信じられないといった様子でSちゃんの頭や手をなで話しかけておられた。胸中を思うと今も心が痛む。
(2010.06.3 中国新聞「広場」掲載)岩国エッセイサロン花水木より転載
岩国市 会 員 横山 恵子
5月25日付広場欄の「水難救助には浮き袋を」を読み、小学校時代のつらい出来事を思い出した。
近くの川で一緒に泳いでいたAちゃんが深みに入り、そばにいた私にしがみついた。それは想像だにしないものすごい力だった。私が潜ると手を離したので何とか助けることができた。
おぼれる人の救助には、浮袋か長い棒が必要なことを身をもって知った出来事だった。
夏休みには祖父母の住む田舎に泊まりに行った。近所のSちゃんが「明日は岩国のおばさんの家に行くんよ」とうれしそうに話してくれた。
しかし、その2日後、Sちゃんは変わり果てた姿で帰ってきった。子どもたちだけで泳ぎに行きおぼれてしまったのだ。
Sちゃんのおとうさんは連れて帰るタクシーの中、生き返るのではと、ずっと抱いておられた。その夜、私は祖父の後を思い足どりでついって行った。
Sちゃんは、まるで眠っているようだった。お母さんは信じられないといった様子でSちゃんの頭や手をなで話しかけておられた。胸中を思うと今も心が痛む。
(2010.06.3 中国新聞「広場」掲載)岩国エッセイサロン花水木より転載
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