「行きましょうか」と看護師は車椅子を押し始めた。突然、これまで思いもしなかった「万一の時残る妻はどうなる」との不安が頭をよぎる。でも、顔には出ないように繕った。
手術室の扉が開く。主治医のきりっとした顔が見えた。がん切除への不安が消える。
あの日から1年、内視鏡にCT、血液など検査結果は「異常ありません」と笑顔で主治医。緊張が解け体が軽くなる。そばの妻もホッとした息遣い。
病院の外は秋日和、思ったわけでもないのに、背伸びに続いて深呼吸も。爽やかな秋の気配を「うまい」と感じた。
2012年11月02日 毎日新聞「はがき随筆」掲載 岩国エッセイサロンより転載
我が家も冬支度、ホットカーペットを出しました。
あのこたつのホカホカは冬の楽しみなんですが、足腰の弱い私には、もう無理です。
友人に助けられ、やっと我が家も冬バージョンになりました。
節目の検診で異常なし、ほっとしました。
秋が短いと感じる朝夕の冷え込みに近くのモミジが戸惑っています。
冬支度のコタツの準備を始めます。
どうぞご自愛ください。