はがき随筆・鹿児島

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「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

厳しい経営、身近に感じる

2013-11-06 23:07:24 | 岩国エッセイサロンより
2013年11月 6日 (水)

   岩国市  会 員  片山 清勝

 円安以降、ガソリン価格は高止まりしている。そんな中、行きつけのガソリンスタンド(GS )に「スタッフ給油を廃止します」という掲示が出た。給油機周りに従業員の姿はなく、元気なあいさつの声が消えた。
 アベノミクスで「デフレ脱却、経済が上向いた」といわれるが、地方に住む年金生活ではその実感が伝わるものはまだない。逆に食品を中心に日用品の値上がりに不安を感じている。
 一方、中小企業の厳しい経営状況は報道で知る。行きつけのGS で、顧客へのサービス低下、さらに顧客減につながりかねない策をとる経営者の苦悩は、はたから推し量る以上に厳しい決断だったろう。低燃費車の普及、若者の車離れなど、GS業界への追い風は見当たらない。
 サービスポイントの入力に事務所へ入った。これまでと変わらぬ気持ち良い応対にほっとして、店を後にした。

    (2013.11.06 朝日新聞「声」掲載)岩国エッセイサロンより転載

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2 コメント

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tatu_no_koさま ようこそ (アカショウビン)
2013-11-10 17:11:43
我が町では、GSが次々に姿を消しました。
「廃業するのも大変なの…」
と、GSを廃業した方の、姪御さんから話を伺い驚いたことがあります。

アベノミクスの描く夢が本当に来るのか、先はさっぱり見えない気がしてなりません。
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厳しい (tatu_no_ko)
2013-11-07 08:20:59
転載ありがとうございます。
日ごろは従業員の元気な声に店のことなど気になりませんが、重い決断を感じる掲示から厳しさを感じました。
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