2016年10月14日 (金)
岩国市 会 員 沖 義照
子どもの頃、10月に入ると家族総出で焚き木取りに連れ出された。小枝を小さな束にして背負わされ山を下る。家までの中間点まで運んだところで荷を降ろす。再び上って行き、また荷を背負って中間点まで運ぶ。少し休んだ後、今度はそこから家まで2回運んで全てを持ち帰る。
このような運び方を父はのくると言っていた。「さあ、のくって帰るぞ」と聞くと、子ども心に「よし、頑張ろう」という気持ちが湧いた。苦労して持ち帰った焚き木で風呂を沸かしご飯を炊く。台風一過、山道に落ちた小枝を見ると、子どもも働き手だった幼い頃を思い出す。
(2016.10.14 毎日新聞「はがき随筆」掲載)
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