はがき随筆・鹿児島

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「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

寂れ行く山村 胸痛む

2016-01-14 12:33:05 | 岩国エッセイサロンより
2016年1月13日 (水)

    岩国市   会 員   横山恵子

 元日付の紙面から連載が始まった「中国山地」。過疎が進む状況を、暗たんたる思いで読んでいる。 私の故郷も中国山地沿いにある。訪れるたびに、空き家が目立つようになってきた。草が伸び放題の庭や荒れた田畑が、故郷の荒廃を物語っている。
 農業だけでは生活もままならず、高度成長に伴い、子どもたちは次々に都会へ出て行った。
 残された親は高齢化が進み、施設へ入ったり子どもの所へ行ったりして、地域はすっかり寂れている。
 昔は、自給自足が当たり前で、ゴマ、ソバ、大豆なども作っていた。「そばを打って食べた。今思うとぜいたくじやったね」と、叔母が懐かしそうに話してくれた。
 人の命の源は農業だと思う。行政がそれをないがしろにしてきたつけが今、集落の荒廃という形で表れているのではないだろうか。それに伴って自給率も下がった。
 寂れゆく故郷を見るのはつらい。   

    (2016.01.13 中国新聞「広場」掲載岩国エッセイサロンより転載

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