岩国市 会 員 吉岡 賢一
小学4年の夏休み、隣のお年寄りに頼まれるまま、田の草取りに初挑戦した。回転式爪の付いた昔ながらの除草機を押したり引いたりしながら、前に進む。頭からは真夏の太陽が降る。足元ではまかれた石灰が水と反応して、素足のすねやふくらはぎはやけどするほどに熱い。がまん、がまんの半日。駄賃として10円もらった。米作りの大変さを身をもって思い知ると同時に、駄賃のありがたさ、裕福さが身にしみたあの夏。
以来、黄金色に染まる稲穂の波打つ季節は、また一つ気合を入れ直し、がまんを呼び起こす節目としてきたつもりだが……。
(2013.10.08 毎日新聞「はがき随筆」掲載)岩国エッセイサロンより転載
小学4年の夏休み、隣のお年寄りに頼まれるまま、田の草取りに初挑戦した。回転式爪の付いた昔ながらの除草機を押したり引いたりしながら、前に進む。頭からは真夏の太陽が降る。足元ではまかれた石灰が水と反応して、素足のすねやふくらはぎはやけどするほどに熱い。がまん、がまんの半日。駄賃として10円もらった。米作りの大変さを身をもって思い知ると同時に、駄賃のありがたさ、裕福さが身にしみたあの夏。
以来、黄金色に染まる稲穂の波打つ季節は、また一つ気合を入れ直し、がまんを呼び起こす節目としてきたつもりだが……。
(2013.10.08 毎日新聞「はがき随筆」掲載)岩国エッセイサロンより転載
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