
2012年2月 6日 (月)
岩国市 会 員 横山 恵子
寒さの中でも庭のスイセンは、けなげに咲いており、見ていると心も和む。
幼いころ、遊び疲れたら座り込んでスイセンやロウバイに顔を近づけた。白いサザンカに降り積もっていく雪景色は、まるで絵を眺めているようだった。菜の花やレンゲ畑は古里の亡き祖父母を思い出す…。
花には、郷愁というか、遠い 記憶を呼び起こしてくれる力があると思う。
原爆投下後、焼け跡にカンナやキョウチクトウが美しい花を咲かせたという。
「75年間は草木も生えず、復興は無理だろう」と言われていたが、これを見た人々は、希望と勇気を抱いたとのこと。花の生命に生きる力をもらったのだ。
花は心を癒やすだけでなく、励ましてくれる力も持っていると思う。
被災地に早く春が訪れ、花が人々を力づけてくれることを願っている。
「雪の中凛として春待つ桜」
(2012.02.06 中国新聞「広場」掲載)岩國エッセイサロンより転載
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