2010年8月 6日 (金)
岩国市 会 員 山本 一
7年前、二度目の東京勤務の時に定年退職を迎えた。岩国から妻を呼び寄せ、単身マンションの片付けをした後、横浜のランドマークタワーへ食事に行った。
展望台には似顔絵のコーナーがあり、数人の絵描きさんがいた。妻が学生風の小柄な女性に「主人の退職記念です」と言ってお願いした。似顔絵を描いてもらったのは、後にも先にもこれが初めてである。
今、その似顔絵は書斎のど真ん中にかかっている。肩を寄せ合い花束を持っていて、何だか気恥ずかしい。妻の大きなほくろやたれた目、私の糸を引いたような細い目など、よくこんなに特徴をつかんで描けるものだと感心する。いかにも仲が良さそうな、温かい感じの絵だ。「夫婦はこうあって欲しい」という作者のメッセージが感じられて、とても気に入っている。けんかしても、この絵を見ると仲直りできそうだ。
あの時の絵描きさんは、今どうしておられるのだろうか。「5年間の東京・横浜生活、おつかれさまでした!」と書いてあり「よ」というサインがしてある。「よ」さん、心のこもった絵を描いていただき、ありがとうございました。
(2010.08.06 朝日新聞「声」掲載)岩国エッセイサロンより転載
岩国市 会 員 山本 一
7年前、二度目の東京勤務の時に定年退職を迎えた。岩国から妻を呼び寄せ、単身マンションの片付けをした後、横浜のランドマークタワーへ食事に行った。
展望台には似顔絵のコーナーがあり、数人の絵描きさんがいた。妻が学生風の小柄な女性に「主人の退職記念です」と言ってお願いした。似顔絵を描いてもらったのは、後にも先にもこれが初めてである。
今、その似顔絵は書斎のど真ん中にかかっている。肩を寄せ合い花束を持っていて、何だか気恥ずかしい。妻の大きなほくろやたれた目、私の糸を引いたような細い目など、よくこんなに特徴をつかんで描けるものだと感心する。いかにも仲が良さそうな、温かい感じの絵だ。「夫婦はこうあって欲しい」という作者のメッセージが感じられて、とても気に入っている。けんかしても、この絵を見ると仲直りできそうだ。
あの時の絵描きさんは、今どうしておられるのだろうか。「5年間の東京・横浜生活、おつかれさまでした!」と書いてあり「よ」というサインがしてある。「よ」さん、心のこもった絵を描いていただき、ありがとうございました。
(2010.08.06 朝日新聞「声」掲載)岩国エッセイサロンより転載
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