宮崎の秘境、西米良村に山登りのため訪れた。国道沿いに植えられたミツマタが花盛りであった。登山口周辺には山桜が満開であり「春よ来い」の歌のごとく、風に吹かれて散るさまも乙であり、落ちた花びらを避けて登る客人も乙である。山の中腹からはマンサクの花も咲いていた。春にまず一番に咲くことからこのネーミングが付いたといわれるが、4枚の花びらはリボンのようで可愛い乙女のように恥ずかしげに咲いていた。ベニバナトキワマンサクの赤に比べてそこはかとない黄色の花びらのマンサクに心残りをしながらの下山になった。
鹿児島市 下内幸一 2016/4/17 毎日新聞鹿児島版掲載