高科先生の授業は年に8回あります。本日は8回目、最後の授業でした。
毎年、話されるテーマが違うのですが、今期は子どもの本についての話をしていただき、
本日は「子どもを生きる」がテーマでした。
環境の教科書といわれる『沈黙の春』の作者・レイチェル・カーソンの『センス・オブ・ワンダー』を紹介されました。
美しいもの、未知なもの、神秘的なものに目をみはる感性〈センス・オブ・ワンダー〉
子どもたちにはこの感性が一番大切と『センス・オブ・ワンダー』では綴られています。
大人になり、便利を手に入れると失われてしまいますが、絵本を書く人にはこの〈センス・オブ・ワンダー〉が必要。
ぜひ手にとって読んでみてください。
来日中の世界で最も貧しい大統領、ウルグアイのホセ・ムカヒ大統領はリオ会議で
「貧乏な人とは、少ししかものを持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ」と、演説されました。
経済が発展し簡単に物が手に入る、それが当たり前の世の中で、レイチェル・カーソンやホセ・ムカヒ大統領の感性こそが心を豊かにし大切なことだと思います。
12世紀の古文で『梁塵秘抄』があります。
遊びをせんとや生まれけむ
戯れせんとや生まれけむ
遊ぶ子どもの声聞けば
我が身さへこそ揺るがるれ
また岡本夏木の『幼児期』の中でも
「わが身まで揺り動かされるのはなぜか。
それはわれわれ自身の中にも遊びへの強う要求と感情があり、
それが子どもの声によって強い共感へとかりたてられるからです。
このことはまた、われわれ大人自身の中にかつて子どもであった自分を宿し続けていて、
その内なる子どもが大人の自分をゆるがすことも示しているといえます」
と、大人になっても「子どもを生きる」ことはできる。と、書かれています。
本日は、子どもは自由で素晴らしい感性の持ち主だ!と、いう絵本を紹介していただきました。
『マコチン』灰谷健次郎 作 長新太 絵 (あかね書房)
『ぼくのくれよん』 長新太 (講談社)
『おばあさんの青い空』 片山健 (偕成社)
『せんひくよろこび』 片山健 (福音館)
『おばあさんの青い空』の主人公コジさんは、スズキコージさんのことだそうです。
長新太・片山健・木葉井悦子・スズキコージ・荒井良二などの絵本作家は、自分の中に子どもを持っていて、子どもを生きることで絵本を作ることが出来る絵本作家です。
そんな荒井良二さんも「子どもが描く絵にはかなわない」と、おっしゃっていました。
あまんきみこさんのエッセイ集『空の絵本』で
「人は誰でも幼年期・思春期・青年期…と、木の年輪の内側の部分(幼年期)の感覚を沢山持っている」と、あります。
絵本を描くには、幼年期の感覚がとても大切なんですね。
高科先生の授業では、課題が出ます。
最後に課題についてのお話がありました。
上手下手ではなく、人の心に届くことばが大事。
下手でも心に届くことばはあるので、はじめは上手く書こうと思わず書いて欲しい。
課題では、原稿の書き方を最低習得して欲しいです。と、おっしゃっていました。
高科先生の授業では毎年話すテーマが違いますので、来年はどんなテーマでお話されるのか楽しみです。
ぜひ来年もスポット受講で受けに来てくださいね。
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