絵話塾だより

Gallery Vieが主宰する絵話塾の授業等についてのお知らせです。在校生・卒業生・授業に興味のある方は要チェック!

2020年2月9日(日)絵本ゆっくりコース・高畠那生先生の授業内容

2020-02-09 19:47:02 | 絵本ゆっくり塾
今日の絵本ゆっくりクラスは、高畠那生先生です。

まず、新刊の読み聞かせをしてくださいます。
ご本人に読んでいただけ、感激です。




「ウォッシュバーンさんがいえからでない13のりゆう」
作 中川ひろたか 絵 高畠那生

絵を描くときに、難しかったことなど、制作に関する
お話しもしていただきます。

それから、場面構成の練習となるワークをします。
紙に、無作為に線を引き、形を拾っていきます。



画面の四角に対して、何が一番面白く見させる構図になるか、
どういう絵作りをした方が今後の展開に良いかを考える練習です。



画面を作ってお話を操作していくこと。
出てくる要素だけを描いていくとつまらない。
毎ページ毎ページ、狙いを持って構図を作る大切さ。



生徒のみなさんも、思いがけない形が生まれたり、「難しい…」と言いながらも、
楽しそうに作業しています。
高畠先生は、ひとりひとりにアドバイスをしてくださいます。
これから、絵本を読むときにも、構図を意識して読むことができそうです。



最後に、いろいろな質問にも答えていただき、
すごく勉強になりました。



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2020年月27日(金)文章たっぷりコース7回目の授業内容(高科正信先生)

2020-02-09 00:00:33 | 文章たっぷりコース
文章たっぷりコース、第7回目の授業は、時節柄欠席者が多く
教科書等を使わないイレギュラー授業になりました。

まず、前回提出していた「ぼくはたこです。」から始まる1200字の文章を返却してもらいました。
このクラスでは、初回から「わたしは○○」という一人称の文章を書く練習をしてきました。
主人公が生物にしろ、無生物にしろ、何かを擬人化して物語を作るのは
取っつきやすいだろうということで出された課題でした。
とくに今回の「ぼくはたこです。」は、書き出しは同じでも書き手の違いにより
全く別の物語になっているのが興味深いところです。

1200字というのは、5〜6歳の子どもが大人に読んでもらったり、
自力で読んで理解できる最大の文字数ということでしたが、
福音館書店から出ている『母の友』という月刊誌が、毎年募集している「こどもに聞かせる一日一話」も
1200字で書くという規定がありますので、試しに応募してみる場合の練習にもなります。
毎年春に作品を募集して、11月号が選ばれた作品の特集号になり
著名な作家に依頼したものも含め全部で20作あまりが選ばれて掲載されます。
中には既にチャレンジしたそうな生徒さんもいらっしゃいました。

そんな話から、高科先生が以前書かれた「ぼくはタコです。」で始まる
1200字の文章を朗読してくださいました。
海釣りがお好きな先生は、書いているうちに楽しくなってしまい
「ぼくはハリセンボンです。」と「わたし、タコノマクラ。」などで始まる
シリーズができたそうです。
手描きの原稿用紙のコピーもいただき、原稿用紙の使い方の参考にもなりました。



そして、イカとタコが主人公の絵本、長新太さんの『イカタコつるつる』という
ナンセンス絵本を読み聞かせてくださいました。



どんどんお話が進んでいって、最後は うひゃぁ という終わり方。
自分ではなかなかこういうアイデアは浮かびません。

その後、前回やった 工藤直子さんの『こころはナニでできている』の続きでした。

幼い頃のことをきちんと記憶している工藤さんが、
新しいお母さんのことを読んだ詩は、当時の思いをそのまま表現していて
(それとも実際にその頃書いた詩だったのか?)
とにかく胸に来るものがありました。
「すごいよね〜」と高科先生。

今日はイレギュラーな授業ですので、質問がある人!ということになり
高科先生の作品について詳しく聞いていきました。



『はしをわたってしらないまちへ』は、絵の作者と二人で企画した作品で
いくつかの出版社に持ち込んで、最終的に福音館書店の「こどものとも」で出版化されたそうです。



このように、作品が出版されるにはさまざまな方法があり
出版社によって好みのテイストというものがあるので、
それを合った作品を応募なり持ち込むなりしなければ、実現は難しいということでした。

ちなみに、福音館の本には必ず英語のタイトルが付いており
『はしをわたってしらないまちへ』は『The Bridge between this land and that island』だそう。
邦題にはない、作品に込められた意図が、英題にはちゃんと入っているとのこと。
翻訳とはセンスである、と教えていただきました。
何人かに訳されていても、好みはそれぞれですね。



日本語と外国語では主語と動詞、目的語などの順番が違うので
きちんと日本語として成立するように、いろんな表現の仕方を知っておかなければいけない
手札は多い方がいいということでした。

ただ、日本で読まれている翻訳された児童文学は
瀬田貞二さんと石井桃子さんのお二人が確立したそうです。
そういえば『3びきのやぎのがらがらどん』も『ナルニア国ものがたり』も
『くまのプーさん』も『ちいさなうさこちゃん』も、お二人の手による日本語を読んできたのですね。

翻訳といえば、高科先生の著作も中国語や韓国語、台湾語に翻訳されて
海外で販売されているものがあるそうです。
中国などは、本自体はペーパーバックで安く販売されているそうですが
とにかく人口が多いので、販売数も多いとか。
『さよなら宇宙人』は、最近ベトナム語版が出版されたそうです。
ベトナムで荒井良二さんの表紙の本を読んでいる子どもがいるのを想像すると楽しいですね。
高科先生の文章がどんな風に訳されているのか、興味深いところです。



休憩をはさんで、最後は推敲についてのお話でした。
朝日新聞社で、長く『天声人語』の担当をされていた、辰濃和男さんの『文章のみがき方』から
推敲する時に気を付けることを教わりました。
基本は、「この言い方が最良かどうか」「言いたいことがきちんと伝わるか、違和感はないか」ですが
そのために例えば、文末に同じ言葉が続かないようにするとか、
漢字とひらがなのバランスを良くするとか、なるほどということばかりでした。

それを踏まえて、今回の課題は文末が
「わたしはかみさまとしずかなはなしをした。」で終わる文章を、
次々回3月6日の授業の時に提出するというものです。
今回は文字数の制限はなく、テーマも自由。
創作ものでもエッセイでも、コラムでも紀行文でも構いません。
ただ、文末がひらがなだけの文章ですので、中味もそれに合わせたものにしてください。
少しの漢字は使っても構いませんが、基本はひらがなとカタカナで、
文体はですます調でお願いします。

今回も難しそうですが、期間は2週間ありますので
推敲に気を付けて頑張ってください。
よろしくお願いいたします。

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