高科正信先生の4回目授業は「私とは誰か?」がテーマでした。
大人の文学では「私とは誰か?」と探る文学ですが、子どもの文学では、その問いに対して答えを提示する文学です。
「私とは誰か?」と言う問いに対して明確に提示する絵本があります。
本日はそんな絵本の紹介をしていただきました。
・『わたしは真悟』 楳図かずお (小学館)・・・感情を持つロボットがいつの日か「私は誰なのか?私の両親は誰か?」と問い続ける漫画
・『くまの子ウーフ』神沢利子 作・井上洋介 絵・・・「ウーフはウーフでできている」ぼくは、ぼくだ!と、子どもに分かりやすく表現されている。
・『わたし』 谷川俊太郎 作・長新太 絵 ・・・わたしから見て私でも、他人から見るといろんな人、という絵本。
・『かがみよかがみ』奥田継夫 作・長新太 絵 ・・・表から見たらいいように見えても裏から見たら……
・『ごちゃまぜカメレオン』 エリックカール ・・・他人のことがよく見えるが、自分は自分にしかなれない。結局、自分でよかったと思う。
・『ぼくはくまのままでいきたかったのに』イエルク シュタイン 作・イエルク ミュラー 絵・・・くまが人間の世界で生活する。でも、ぼくはくまだった。という絵本。
・『やっぱりおおかみ』 佐々木マキ ・・・ 孤独のおおかみが「私は何者か?」と、問いかける。「私はおおかみだ!」と、最後に結論を言う。
・『まどさんのうた』阪田寛夫 より
『くまさん』『うさぎ』まどみちお ・・・ 冬眠から目覚めたくまがぼんやりしていて、自分は誰だった?と思うのですが、
「そうだ、くまだった。よかった」と、くまに生まれて良かったとくまの気持ちがシンプルに表現されています。
子どもの文学では「私は誰か、何者なのか?」という哲学的な難しい問いに、分かりやすい言葉と内容で伝えることの出来る文学。
高科先生が好きな映画「ブレードランナー」40年程前の映画だそうですが、
この映画も人間が作りだしたロボットのアンドロイドが「私とは一体、何者なのか?」と、疑問を持つ映画だそうです。
高科先生はこの映画が大好きで、何度も何度も見られたそうです。
次回12月2日(水)も今回のテーマの続きで「私とは誰か?後編・家出について」のお話です。
【課題】
「私が勧める絵本」・・・好きな絵本を誰かに勧める紹介文を書いて下さい。
・1000字(原稿用紙、三枚弱)
・締切は11月28日(土)まに高科先生の自宅に郵送してください。