絵話塾だより

Gallery Vieが主宰する絵話塾の授業等についてのお知らせです。在校生・卒業生・授業に興味のある方は要チェック!

2023年5月13日(土)イラストレベルアップコース・朝野ペコ先生の授業内容

2023-05-29 19:33:30 | イラストレベルアップコース

5月13日イラストレベルアップ
今日は朝野ペコ先生の授業です。

今回の授業は「クロッキー」と「似顔絵」がテーマです。

クロッキーとは、スケッチやデッサンより素早く描くことで、5~10分以内を目安におおまかに、ざっくりと情報を写し取ることです。
ペコ先生は、10代の頃からボールペンでノートいっぱいに、修正なしでクロッキーを描くことをされていたそうです。
「クロッキーは形をとらえる練習になり、物を見る力がつきます。昨日、今日、明日と毎日続けると確実に絵が上手くなります」

実際に今いる人や物を見るのが1番練習になるのですが、今回の授業では雑誌の切り抜きを使って行います。
消しゴムなどで修正はせずに取り組んでみましょう。

「アウトラインだけを追っていたら長さやバランスが崩れてきます。線を見ながら、というより、ざっくりとその物や人の形をとらえていきます。クロッキーはそこまで細かく描かなくて大丈夫です」

目の前でペコ先生のクロッキーのデモンストレーションが行われて、皆さん真剣な眼差しでその様子を見つめ、出来上がったら自然と拍手が沸き起こりました。

 

実際に皆さんがクロッキーを描いていると、疑問点や困った点が出てくるので、ペコ先生が皆さんの所に回られてそれぞれにアドバイスやコメントをくださいました。

休憩を挟んで、授業の後半は「似顔絵」です。
ペコ先生は数年前からイベントなどで似顔絵を描かれています。

「似ている、似ていないで勝負すると、そっくりに描ける方はたくさんいます。作家性を大切にして、自分のイラストの中に『この人を描くんだったら?』と考えて自分のタッチで描くようにしています。イベントで似顔絵を描いてみると、自分がどういう似顔絵を求められているかということも分かります」

それでは、近くにいる3人で、15分程度でお互いを描き合ってみましょう。

出来上がったら全員の分を見て回ります。
皆さんそれぞれのタッチで描かれており、人柄が伝わる似顔絵だったり、背景があったり、とその人の世界観が伝わる色々な似顔絵が溢れていました。

「描いて貰えるって嬉しい」「いろんな似顔絵が見られて面白い」という声も聞こえて、最後はお互いに似顔絵をプレゼントしあったりと、和気あいあいとした授業になりました。
ではまた教室でお会いしましょう!アディオス!

 

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お待ちしています。

 

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6月4日 (日) 18:00~

6月11日(日) 18:00~

6月17日(土) 11:00~

6月18日(日)18:00~  

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2023年5月24日(水)絵本わくわくコース・土井章史さんの授業内容

2023-05-29 17:34:36 | 絵本わくわく塾

絵本わくわくコースでは、絵本編集者の土井章史さんの授業が2回あります。

絵本の話と、ダミー本の講評をしていただきます。

 

初めに「第1回 テレビ高知 絵本コンクール」のお知らせです。

土井さんも審査員で参加されています。

テーマがあるので、お話は考えやすいかもしれませんね。

ぜひチャレンジしてみてくださいね!

 

「ダミー本を持ってきた方?ダミー本を出してこちらへ渡してください」

ほぼ全員がダミー本を持ってきていました。

土井さんの講評は、土井さんが読みながら、あれっ?おかしいと思うところにツッコミを入れていきます。

ダジャレも加わり、クスッと笑ってしまう時もあったり、この先どう展開していくのか、みんなで想像したりします。

 

ダミーの講評の前に、ユーモアとギャグの違いをお話しされました。

ギャグは、ある程度の経験値があって「ある、ある!」と言える、テレビなどのお笑いのようなもの。

絵本ではギャグではなくユーモアが欲しい。

ユーモアは、誰にも教わっていないのに笑えるもの。

頭ではなく、体が笑っている、喜んでいるものがユーモア。

ユーモアの延長線上に絵本があります。

「幼児に戻って感じたいと思うユーモアは、絵本にしたくなる」と 土井さんは、おっしゃっていました。

 

では、ダミー本を発表していきますね。

子どもが分からない言葉を使う方が多いです。抽象的な言葉は、子どもは分かりずらいでしょう。

例えば「自由になりたい」という言葉は、もっとリアリティな表現ができるといいですね。

 

偶然と必然とがありますが、偶然の出来事は感動が薄れます。

偶然の出来事を繰り返すのは3回までで、4回目はクライマックスで、違うアイデアがほしいです。

4回目も同じような偶然の出来事がくると、読者はテンションが下がります。

「こうゆうことが必要だったのか」と思える必然が必要ですね。

 

絵本は素材とアイデアが大事です。

いい素材が思いついたら、アイデアをもっと考えて面白くしてほしい。

空や虹などの素材は、あまり良くない。

魔法は腑に落ちることならいいけど、何でもありになってしまうので難しいです。

偶然と必然の考えに似ていますね。

 

地図という概念が幼児にはまだないので難しい。

感覚的な面白さが欲しいので、知識がいる話は幼児絵本ではいらないです。

 

絵本は行って帰ってくるのが大同。

子どもは「あ〜、良かったね」と安心できる。

宇宙に行ってそのままだと、ナンセンス絵本になる。

ナンセンス絵本だと、絵も面白くて、とんでもない話がいいです。難しいですよ。

 

絵話塾の授業で、みなさんのダミー本を読んで講評をしますが、

他の人のダミーを見ながら、最後のオチを考えられるのが、この教室の良いところ。

頭で考えるのではなく。身体で考えることが重要です。

 

編集者の土井さんからいただく言葉は、たくさんの気づきがありました。

楽しくて深い授業をありがとうございました。

 

 

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2023年5月20日(土)文章たっぷりコース第4期・13回目の授業内容/高科正信先生

2023-05-24 21:58:50 | 文章たっぷりコース

この日のテーマは、「幸福のありようについて」。
幸福のありようについて書かれている、さまざまな作品を紹介していただきました。

まず最初は、以前の授業で取り上げた3人の養子兄弟のことを描いた『うちへ帰ろう』の作者、ベッツィ・バイアーズの『18番目の大ピンチ』(作/B.バイアーズ ・訳/金原瑞人・絵/古川タク・あかね書房)です。
70〜80年代のアメリカが舞台で、ベンジー少年がさまざまなピンチの脱出法を考えるというこのお話は、訳者の金原さんのあとがきに「この本はドラえもんのいないのび太の物語」とあります。最後は自分で問題を解決することができ、幸福感を味わうというお話です。

『18番目の大ピンチ』(作/B.バイアーズ 、訳/金原瑞人、絵/古川タク、あかね書房 1993)https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002253715-00

その後、翻訳家の清水真砂子さんが文芸誌に寄稿した「幸福に驚く力」という文章を見ていきました。
幼い頃は大人から見れば他愛ないことが楽しく、幸せを感じることができる「幸福(奇跡)に驚く力」があるが、人生のある時期になるとその力は急速に弱まっていくきます。大人にとっては毎日の生活の中にある幸福(奇跡)に気づくことは難しいことですが、子どもの本の作家たちはそこに目を凝らして、幸福のさまざまなありようを考えて書き、子どもの心に届かせようとしているのです。
※ここで、レイチェル・カースンの『センス・オブ・ワンダー』や、マリー・ホール・エッツの『もりのなか』『またもりへ』などの書名も出てきました。

次に、森永ヒ素ミルク事件被害者弁護団を担当した弁護士・中坊公平の『金ではなく鉄として』(聞き手・編集/武居克明、岩波書店)から、お父さんやお母さんのエピソードを交え、「幸せは、実は日に何度も人を訪れているのではないか」という箇所を見ていきました。そんな中坊さんは、昔お仲間から「お前はほんまにアホみたいなことで、勝手に幸せになれるなあ」と呆れられたことがあるとか。ともすれば悲観的になりがちな私たちにとっては、全く羨ましい話です。

『金ではなく鉄として』(聞き手・編集/武居克明、岩波書店)https://www.iwanami.co.jp/book/b264407.html

高科先生は、長谷川集平の『はせがわくんきらいや』における、ぼくとはせがわくんの関係を「幸せな子ども時代」と捉え、この日は一年生の女の子2人が主役の『あのときすきになったよ』(作/薫くみこ、 絵/飯野和好、教育画劇 1998)も紹介してくださいました。

 

 
『あのときすきになったよ』(作/薫くみこ、 絵/飯野和好、教育画劇 1998) https://www.kyouikugageki.co.jp/bookap/detail/227/

トルストイは「幸福な家庭はどこも一様だが、不幸な家庭はそれぞれに不幸である」と書きましたが、実はそうではなく、幸福にもさまざまな形があり、子どものための本を書こうとする人は、そこにこそ目を凝らして創作しており、高科先生はだからこそ子どものための作家で良かったと思っているのだそうです。

あなたが幸せを感じるのはどんな時ですか? 毎日忙しく過ごしているからこそ、中坊さんのように毎日訪れる幸福に気づいて大切に過ごしたいものです。

休憩を挟んで後半は、『文章のみがき方』(辰濃和男 著・岩波新書)をテキストにして進めていくのですが、この日は瀬戸賢一の『書くための文章読本』(集英社インターナショナル)から、文末の表現について見ていきました。
日本語は文末に動詞がくるので、どうしても同じ言葉が並びがちです。そこで、複合動詞(射し込む・吹き荒れる など)や補助動詞(洗い出す・跳ね飛ぶ など)、オノマトペ(擬音語・擬態語)などを使って変化を出します。体言止めや用言止めは効果的ですが、多用すると良くないので、気をつけて使いましょう。 ※ 次回はテキストに戻ります。

『書くための文章読本』(作/瀬戸賢一、集英社インターナショナル) https://www.shueisha-int.co.jp/publish/書くための文章読本

最後に今回の課題は、「わたしの〇〇」です。
「わたし」の部分は、一人称であれば「ぼく」でも「オレ」でもかまいません。
「〇〇」は基本的に名詞であれば修飾語を+しても良く、具体的なものでも抽象的なものでも何でも良いです。
また、内容は創作でもエッセイでもよく、長さもスタイルも好きに書いてください。
ただし、この日学んだ文末の工夫と、魅力的な書き出しに注意することは忘れずに。

提出日は、次回の授業のある6月10日(土)です。よろしくお願いいたします。

 


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2023年5月21日(日)絵本ゆっくりコース・寺田順三先生の授業内容

2023-05-24 19:57:53 | 絵本ゆっくり塾

本日の絵本ゆっくりコースは、寺田順三先生の今期最後の授業です。

初めに絵本を出版するのは大変だ。という話をお聞きしました。

絵本を出版するタイミングがずれると、スムーズに出版が出来なくなる場合もあるので、

まず初めは自費出版で絵本を作ってみることもありですよ。と、寺田先生はおっしゃっていました。

 

寺田先生は大阪の 子どもの本屋ぽてと で 「傘の絵本」てらだじゅんぞう展覧会を予定しています。

5月27日(土)〜 6月4日(月)  大阪市中央区平野町1−2−1

傘の絵本を自費出版で作っているそうです。楽しみですね。

 

では、課題を発表していきましょう。

前回の授業で描いていた『注文の多い料理店』の一場面を完成してきたのを見ていきましょう。

  

 

「上手くトリミングをしたら、もっと良くなると思う」と、アドバイスいただきました。

 

もう一つ、ある物語を4場面(起承転結)で描いてくる課題も出ていました。

  

一枚の絵だけでも、物語を感じることが出来るといいし、

4場面だと、起承転結のように展開と最後にオチがあると面白いです。

 

最後にワークショップをしました。

・草むらにいるネズミが、カラスがいて通れない。

・森の向こうに行きたいけど狼がいる。

・泳げない子ワニが川に向こうに行くには。

・眠る前に絵描きが描く一枚は?

この問題を、傘を使って解決するには、どんな傘に絵を描いたらいい?というワークショプでした。

カラスの苦手なキラキラしたものを描いたり、狼には小ヤギなど気を引くものを描いて、その傘をおとりに使い、その隙に通る。

川の向こうに行くには舟を描いたり、眠る前は夜空を描いている方がいました。

短い時間で、想像を膨らませてイラストにする。楽しいワークショップでした。

 

寺田先生、いつも楽しい授業をありがとうございました。

 

 

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2023年5月20日(土)イラストじっくりコース・寺門孝之先生の授業内容

2023-05-21 18:41:17 | イラストじっくり塾

寺門孝之先生の授業は、5月・6月・7月に3回行われます。

本日は初回の授業で、初めに寺門先生から告知などのお話がありました。

 

3月に湊川神社神能殿で、新作能「或能川」が上演されました。

寺門先生は天使の絵を描かれていますが、お能もとても不思議な世界で、自分の描いている絵に近い気がすると思ったそうです。

そして、受胎告知と同じようなお能があることを知って、天使とマリアの間(あわい)を主題とした新作能の研究をし、7年の創作期間を経てやっと上演されました。お能だけではなく音楽などのパフォーマンスも素晴らしい新作能だったそうです。

 

2005年に出版され絶版になっていた『MOMOTARO 桃太郎』が再販することになったそうです。

出版する時は、デザイナーがタイトルを入れたり色調整をするので、原画の色と少し違う場合があります。

今日は貴重な原画を見せていただき、絵本とじっくり見比べました。

 

そして、町田康さんとの共作『東山道エンジェル紀行』も、構想期間20年でついに完結、神戸芸工大の生徒さんと手作りで製本され発売されたそうです。

とても凝った作りで、中にイラストのポスターが折り込まれていますが、寺門先生の絵を表からと裏からの両方からを見ることができるように印刷されています。

 

展覧会では、表からしか見れないので、貴重な裏側を見ることができて得した気分になりますね。

『東山道エンジェル紀行』は、20年前からの話がやっと完結したのですが、メディアに作品が届くのは、10年、20年のブランクを経て届くこともあります。

このブランクがが大切で、その長い間に新しい出会いがあり、その出会いも含めて、さらに良い作品になり実現するものだと思います。と、寺門先生からのお話を聞いて、今を大切に頑張る楽しみができました。

 

では後半は「寸画」のワークショップをしました。

寸画とは、ちょっとした絵、短い時間で描いた絵のこと。

 

今日のお題は「間 あわい」を7分で描きましょう。

あなたが思う「間 あわい」は、どんなイラストですか?

・人と人との間

・家具の間

・過去とこれからの自分

・眠りにつく間

・写真のシャッターを切る間(被写体と自分)

・瞑想して無になるまでの自分

・水の中と外

   

考えすぎて、一段二段先のことを描いている方が多かったです。

その場合は、説明して想像しないと分からないので、お題がある場合は、一目で見て分かるイラストがいいです。

 

次回の課題は「カレー色の時代」

好きな画材で大きさは自由。立体でもいいですよ。

カレー色という見た目のことではなく、想像して自由に描いてください。

 

イラストレーションは、外から難題がくるので、そのための筋トレと思ってチャレンジしてくださいね。

 

 

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