やまめの庭つくり

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大徳寺塔頭瑞峯院

2012-12-13 | 京都庭園紀行
瑞峯院は大徳寺の塔頭で,室町時代のキリシタン大名として有名な大友宗麟公が創建したお寺です.

表門の敷石,遠近法?
向こうに行くにつれて,ものすごく細くなっています.



方丈(1535年)の南庭「独坐庭」と北庭「閑眠庭」は,開祖の400年遠忌を記念して重森三玲氏が1961年に作庭されたもので,工期は1ヶ月だったそうです.



up独坐庭

寺号,瑞峯をテーマにした蓬莱山式庭園です.

蓬莱山の山岳から半島になり,大海に絶え間なく荒波が立っている中で悠々と独坐している,大自然の活動を表している,ということです.



大きな石は中国の名僧・雲門禅師を表しているそうで,そこに向かって一直線に石が連なっている石は信心を表現しているのでしょうか.

10センチと厚く敷かれた白砂が大きく波打っている様はまさに荒波,ですね.

すごいうねりを感じます.ちょっと船酔いしそうなくらい波が荒れているように見えますnose4

茶室の方は入り海の様子を表現し,波も穏やかな風景になっています.



といっても,かなりエネルギーのようなものを感じます.

ものすごく入りくんでますね~yellow7

この京都の旅で初めて生で重森三玲氏の作庭した庭を見てきましたが,この段階で(あっ重森三玲っぽい!)と思ってしまうほど個性的です.

そして,京都の名刹の数々の庭を作っている重森三玲という人は,やまめが思っていた以上にすごい存在として君臨されていたんだなぁと,思ったのでした.

あっ・・もちろん今更ながら勉強が足りなすぎではあるのですが・・・yellow18ase



方丈の北庭は「閑眠庭」.

「閑眠高臥して青山に対す」(俗世を離れ,心を高く持ち山野などで密かに暮らすこと)の禅語から銘々されたそうです.

これまで白砂の模様に意味を込められているとあまり考えたことがなかったのですが,具体的な表現であることが多いものなのかなと,少し思いました.

この閑眠庭は,キリシタン大名だった大友宗麟にちなんで,写真左から右に四石,手前から奥に三石で,十字架を表現されています.

石で十字架を表したのは重森三玲氏が初めてということです.



上のような庭を見た後,東の中庭,坪庭を見ると,一瞬を切り取った静止した世界を感じます.キリシタン燈籠が菩提寺として心静かに祈る空間らしい落ち着きがありますね.



白砂も「静」だから平らに敷いてあるとかalienquestion

上の庭の白砂と比べるといかに印象が異なるか,よくわかりますね.