アオシマのDD51、困っちゃう部分も多々有りますが、率直な感想を言うと作ってて楽しいキットです。私が考証ミスがあっても見つけられない実機に疎いってとこもあるんだろうけど、
丁度自分位の世代の人間が10代の頃に夢中になった、故き良きプラモデルの面白さが堪能出来るのは間違い無いと思う。一方で、ビス留めやスナップフィット、或いは超絶一体成型とか
近年の進化したキットの様な「作り手に優しい」部分は無いに等しく、「切り出して」「切削研磨で整えて」「塗って」「接着する」を延々繰り返す訳ですから、時間が取れない人や
プラモデルを作ったことがあまり無いという人には、素組みで組み上げるのもなかなか厳しいキットかも知れません。インストでは全135工程になってますが、
殆どの工程「公式・非公式」「1端・2端」の共通工程なので、実質の工程は2倍弱の250工程と考えた方が良いですね。がっつーことで、参考になるかは判りませんが、
私が作っててココまでで気が付いた部分を、お復習いって事で紹介しておきます。
先ず、このキットを作る際に、必須とまでは言わないけど、有ると無いとで難易度が大違いになるであろうツールがあります。
・ゲートカット用片刃ニッパー→パーツのゲートが兎に角デカく歪な上にイモ付け箱組のオンパレードなので、パーツの精度を保つためのゲート処理は必須。ニッパーの切れが凄く重要。
・高精度なピンセット→細かいパーツが非常に多く、微妙な位置決めが必要な部品も多いので、つかみが正確なピンセットがあると作業が非常に楽になります。
予備が用意されてるパーツもありますが、中には予備が無い上に極小なんてパーツもあるので、パーツロストを避ける意味でもコレは欲しい。
・スコヤ→箱組等パーツの立て付け時に水平垂直をキチンと出しておかないと後で泣きを見る部分が多い。
・キサゲやセラカンナ→細い部品や小さい部品が多いくせに、先述の通りゲートが歪だったりパーティングラインやバリが盛大なパーツも非常に多い。ペーパーのみで処理すると、
パーツの形状も崩してしまいがちなので、余計な部分の切削時にピンポイントで処理しやすいキサゲ類があると作業が捗ります。
・平ノミ→塗装後にパーツを接着する際、接着部分の塗装を剥がすために彫刻刀やタガネのような平ノミがあると凄く便利。この塗装剥がし作業は、接着強度を考えると全ての工程に於いて必須です。
このキットは単純2色形成で無塗装で組む人のことは微塵も考慮していないので、この塗装剥がしツールは実は凄く重要かと思います。
上のツールは、私が作ってて使用頻度が凄く高かったツールです。あと、老眼発症中って事でヘッドルーペは常時着用で無いと作業出来ません(笑。
で、今まで紹介したことがある部分含めて、以下これまでのオサライ。
M22とM61はパーツ指示が逆です。私は接着してから気付いたので、まんまと剥がして再接着するハメになりました。その際パーツを破損しとります。
また、タービンアウトレットのM11は後々ボンネットを取り付ける際にクリアランスが非常にタイトなので要注意。インストのディテールアップ(耐熱バンテージ)をする場合は
M12の上面を或る程度削っておいた方が良いかもしれません。
この車軸ですが、E19が正解です。つっても、中間台車の軸と動力台車の軸ではパーツの色分けが異なってるので直ぐ気付くかと思います。
キットのカートンを切り抜いて作る治具ですが、この作業って地味ですけど重要です。僅かなズレや傾きも、最終的にレールに乗せる際に大きな影響を受けますんで。
動力台車では、赤○部分のバリをキチンと削り取り、更に若干削っておいた方が良いかと思います。
可動がスムースである事を確認した上でE42を装着。E42は流し込みを使ったり接着剤付けすぎると、
可動に影響有る部分に流れ込んでしまう場合が有るので要注意。
尚、下回りの黒い部分は、後々ウェザリングをして遊ぶつもりなんですが、完成後にエアブラシで汚しを加えるのが難しくなりそうだったので、
台車を車台に装着する前に、全体にレッドブラウンやブラウン等の錆系の色をブラシで軽~~く吹きかけておきました。このキットを作り出してから、
出張で鉄道を利用する時に車台下を観察するようになったんですが、どんな車両でもこの下回りは鉄粉錆が粉のように付いている様ですね。
鉄のレールを鉄の車輪が転がるんですから、まぁそりゃ鉄粉撒き散らしますやね。なるほどってことで。
赤○部分には、実車でも台車の脱落防止のためのフックがあるんですが、このキットではこのフックの装着をポリキャップにしていて、
完成後でも何かしらトラブった時には、台車部分を気軽に脱着出来るような構造にしてくれています。中間台車もポリキャップ接続ですしね。
ただ、パーツのバリの影響でポリキャップに収まりにくいので、ポリキャップに押し込む部分を一皮むいて補足しておくと装着も楽になります。
中間台車のエアサスですが、工程53の図のようにエアサスを台車に組み付けてからL75を後付けする場合、
結構な負荷が組み付け時に掛かってしまうので、工程52の段階で先に装着しておいた方が無難です。
連結器は、赤○のL21のピンの組み付けがかなりタイトなので、ピンを削るか穴を広げるかして適度な収まりなるよう要調整。
また、車台にこの連結器パーツを組み込む際、黄色○の部分に収めるんですが、工程82に於いてL30とL31のパーツのクリアランスをタイトにし過ぎると
連結器の収まりが悪くなります。後で組み付けるパーツによって最終的には収まるところに収まるようになるので、この時点では収まり方がユルユルな状態が正解。
私はタイトにしてカッツリ押し込まないと組めない状態にしてしまい、後で色々と修正工作をするハメになりました。余談ですが、このL31とL32はインストでは
パーツナンバーが反対になってます。まぁ、形状が形状なので間違えることは無いと思いますが。
ヘッドライトのパーツは、LEDを仕込もうが仕込むまいが、D4のメッキパーツがボディーの接着場所への収まりが悪いです。
D4を二分割するか、もしくは真ん中辺り(点線部)に切り込みを入れて、ボディー内側の接着位置(ちょうどナンバープレートの裏側辺り)のアールに沿うよう曲げてやった方が良いようです。
M7の排気管は、完成後もバラせる構造を優先しているキットであるため、エンジンのタービンアウトレットとの間にクリアランスが出来てしまいます。
また、丁度良い角度でアウトレットと繋がるように組むためには、エンジン本体と同時に仮組みして確認しながら組み付ける必要が有ります。
とくにアウトレットに耐熱バンテージのディテールアップを施している場合は、このエンジンを組み付けた状態での仮合わせは必須かと思います。
この燃料タンクのパーツは、本キットでは数少ない合わせ目消しが必要なパーツです。完成後もかなり目立つので、面倒でもキチンと処理しておいた方が良いかと思います。
また、L50のバルブ部品は、この時点で接着してしまうと、この後の組み立て作業中に折ってしまう可能性が高いので、本体完成直前の取り付けがオススメ。
この部品に限らず、事に車台にくっつける細く折れやすい部品は、インスト指示を無視してなるべく最後の段階で装着するようにした方が無難です。
バッテリー収納部の内壁部品H1とH2は、インストだと淡緑色での塗装指示ですが、エンジン側(内向き)を淡緑、バッテリー側(外向き)を青20号で塗っておかないと、
後で付ける上蓋の隙間から淡緑が露出してしまいます。
また、反対側ブレーキ用エアタンク用のメッシュ箱部分の内壁(H3,H4)と、上図のバッテリーボックス内壁(H1.H2)は、エンジンボンネット及び変速機ボンネット部分を使い
車台に対してキッチリ垂直に立つように接着しておいた方が良いようです。
M5とM6の指示に関して、パーツ形状は合ってますが部品番号が逆です。
また、インストでは、チェーン取り付け基部の工作案内が出てますが、基部の設置は4箇所ですがチェーンは5本必要です。
正面向かって左端の基部にのみ、2本のチェーンを装着する必要が有ります。私はまんまと後から1本追加するハメになりました。
この前掛け?部分(M11)周辺では、塗装指示に306番グレーというのがいきなり登場してきます。ちょっと予想してなかった指示色で、しかも300番台特色って事で困りかけましたが、
我ながら塗料マニアの本領発揮って言うんでしょうか、手持ちを漁るといつの間にか100ml薬瓶1本分ストックしてありました。っつーか、メーカーも必要な塗料はちゃんと箱に書いておこうよ。
グレー306とかこの工程の処に来るまで一言も必要だとは書いてなかったぞ!?。
このスカート部分の指示も判りにくかった。黄色○部分を黄枠内で示した穴に勘合させつつ、赤○部分を車台の切り欠きに押し込むのですが、
結構負荷が掛かるのでN11の前端パネルを車台にガッチリ固定してから装着する事。実はこの部分、私その組み付け構造が理解出来ず、
赤○部分を切り飛ばしてゼリ瞬で強引接着してしまいました(2端のみ)。そこで色々気付いたので、1端側はインスト指示通りで組みましたが、
このキットのインストは、指示が曖昧な部分が非常に多いので、面倒でも接着前に一々仮合わせ確認をした方が良いですね。
設計自体はキチンと出来てるようで、相当無理しないと組めないような場合は、概ね自分の組み方が間違ってる場合が殆どです。
キャブ周囲には細い足場みたいなパネル(ランボードG16,17)で囲まれてるんですが、このパーツの収まりが非常に悪いです。キャブ側に敷設されてる取り付け用の溝に対して、
ランボード側の厚みが厚すぎてどうにも巧く収まらないので、私はランボード側の厚みを切削で薄くしてから取り付けました。実機の画像とか見てると、
このランボードってもっと薄くて幅も狭いんですよね。帯金で作り直そうかとか一瞬考えたこともあったんですが、上面に滑り止めのモールドが一面に入ってるので諦めました。
また、冷却室ボンネットとエンジンボンネットには、上図赤○部分の取っ手がキットでは省略されています。インストにアナウンスされてるように、
パーツの裏に取っ手を自作して取り付けるのに便利な下穴がモールドされてるので、それをガイドに0.4mmの穴を開け、0.4mmの真鍮線で取っ手を追加しておきました。
っつー感じで、製作開始から既に2ヶ月以上経っちゃいましたが、期間中仕事がクソ忙しく不在も多かった割には、形が見えてくるところまで漕ぎ着けました。
大きな部品は概ね作業が済みましたんで、ここからは取っ手等の細かい部品の装着と各部の配管パイピング処理、そして細かい色注しなんかの作業に入ります。
そろそろ流石にベースの製作にも着手せにゃならんですな。